ベテルギウスの泣く頃に。 (ページ44)

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Aside

宿舎に帰ると、ミーティングルームに招集された。そこでは、このFFIという世界大会に絡んでいる組織オリオン財団の存在がついに監督の口から語られた。

そして、岩戸先輩が一星の事情についてチームに話してどうにかして一星を救おう！と一致団結していた。

もしかしたら、このチームなら一星兄弟に起きた悲劇から一星を………一星光を救ってくれるかもしれない。

とりあえず、暫くは私も一星を救うという方針に従おう。

これで本当に一星を救えるなら願ったり叶ったりだ。駄目なときは、私が犠牲になってでも救う。

･

サウジアラビア戦の朝、遅めに食堂に行ったのだが一星の姿が見えなかった。

朝食そっちのけで外に出て、一星を探す。また何か企んでいるのかもしれないし、オリオンに何かさせられてるのかもしれない。

「光の手術の日程が決まったんですか！？」

そんな、一星のちょっと弾んだような声が聞こえてきて足を止める。

「俺は何をすればいいんですか？なんですが、これ。……………………え、そこまで…………………………………っ、やります」

何を頼まれたのだろう、一星の声だけで話し相手の声が一切聞こえなかった。

「おーい、そろそろバスに乗れー」

という円堂さんの声に振り返り、再び視線を戻した時には一星の姿を見失ってしまった。

「…………」