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Aside
前半戦は一点リードという形で幕を閉じ、日本のムードは最悪だった。
ラストリゾートという芸術レベルの必殺技を見せた豪炎寺さんというエースストライカーが韓国の小細工にやられ、足を痛めてしまった。
結局、守る事が出来なかった。
豪炎寺さんは、何か光りが当たったと、そう語っていた。
間違いない、この前聞いたスパイクに仕込んであるミラーを使ったのだろう。
自分の不甲斐なさに腹が立って、ワナワナと手が震える。
牙を剥いたオリオンの使徒から日本を守らないといけないのに。
「落ち着けよ」
「き、吉良先輩………」
「お前のシュート中々良かったぜ？ま、このゴッドストライカーには劣るがな」
ぽんぽんと頭を叩かれ、少しだけ冷静さを取り戻すことが出来た。
「ありがとうございます」
豪炎寺さんに代わって吉良先輩が入る事になったが、灰崎くんとの相性は最悪みたいだ。
互いの個人技を互いに見せつけ合うように、敵陣に切り込んでいく。
永遠に続くように思われた激しい衝突は、韓国のパスカットによって終わりを告げる。
それから上がってくる韓国の動向を注意深く見ていた私は、次の狙いが吉良先輩に絞られたと気付く。
「吉良先輩！」
豪炎寺さんの時のように助けに行こうとすると、三人に囲まれてしまい動けなくなってしまった。
吉良先輩の顔に、光が当たったのを見て駄目か…………と思ったのも束の間。
「ザ･エクスプロージョン！」
なんとフィールドの中央で放ち、ボールを敵諸共吹き飛ばした。
豪炎寺さんの二の舞にならなかった事に安堵する私に、吉良先輩はニッと笑って見せてくれた。
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作者名：くつる | 作成日時：2020年3月15日 3時
