掴み取れるものならば【ヒロアカ】 (ページ1)

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一話ページ1

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事の始まりはなんだったかって？

そりゃお前、あいつが生まれたことさ。

あいつが生まれてからこの世はぐるりと、
それこそかき混ぜられたように変わったじゃねえか。

最初は誰だってただの赤子だとしか思っていなかった。だが、いざでかくなってみろよ。

ただのガキ？

ははは！

そんな生やさしいモノでも守られるべき存在でも何でもない。
もし、普通の家庭に生まれてたなら？家族全員殺されてただろうとさえ言われてる奴だぜ？結末なんざ聞かなくたってわかる。
なんせほんとに自分の家族全員殺しちまったんだから！

その後の孤児院での話も悲惨だぜ。
さまざまな人間が憧れたなぁ…子供が子供殺しなんぞ。

背筋が凍るったらありゃしねぇ。

だが…俺ら犯罪者からしちゃあ夢のような話だ。
一躍有名になり、そのまま大手組織からスカウトされ、果ては犬を連れる富豪のボスにまでなりやがった。

世界中の情報屋、武器商人、処理専門の掃除屋。

ありとあらゆる勢力をかき集め、最近は軍隊を名乗れるほどだ。

あ？俺？
俺も昔はそれなりだったが、今じゃあの人の手下になっちまった。

恐ろしいだろう？
何の力も持たなかったはずの子供が、なぜそこまでの殺戮を起こせたのか。記事にもなるが、決してメディアには出てこない。

理由を教えてやろうか？ん？

不運で浅はかな〈表の記者(フロント・レポーター)〉、お前さんのような連中はしょっちゅうここへ来る。

そうさ、このバーにはよく来るよ。

俺たちの噂を知らない、ど素人で礼儀知らず。
果ては報酬も持ってないときた。

ここがどこかも知らないだろ。
教えてやるよ。

ようこそ、何も知らない〈表の犯罪者(フロント・クリミナル)〉。
これから仲良くやろうぜ！

あの世でな。

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