八話 ページ8
智永side
私の名前は禪院
本家から逃げられた。
それだけでも十分なのに、彼女は私たちに子供達の世話までさせてくれた。
大切なお兄さんの息子さん達なのに。
何人かまた、使用人をするのか!、と怒鳴った者も居た。けれども、いざこちらで生活すると皆そんな怒りも全て忘れてしまったように過ごしている。
『智永』
「!」
「はい、
『まだ慣れないか』
「…ええ、流石に。それにお兄さまそっくりですから」
『なら仕方ないな。さて、全員呼んでくれ』
「かしこまりました」
いま彼女は彼として生き、名前を脩蛇と名乗っている。禪院家から身を隠すためでもあり、周囲の術師から認知されないためだ。誰よりも人を警戒して生きている彼女は、常に周りを見ていることが多い。
恵さまと津見紀さまはいま学校に行ってらっしゃる。
こういう時に引き抜いてきた使用人を集めるのは、大抵重要な話の時だけ。
何を話されるのだろうかと、少し不安に思いながらも大広間に集まった。
「どういったご用件で」
『俺の戸籍が消えた』
「!」
「では」
『本家ではいま、葬儀の準備を行なっている。ようやく自由になれるよ。で、お前達にも言っておくことがある。この家にも少しながら慣れてきただろうしな』
「おめでとうございます」
『ありがとう』
微笑む様はまさしく甚爾さん、本人を見ているような錯覚に陥るほど、二人は似ておられる。
そっと目を閉じて彼女は自分の背後から、布に包まれた大きなものを私たちに差し出す。
「これは…」
『刀だ。お前達にやる』
「え」
『これからこの家をお前達に任せることになる。俺は仕事があるし、恵たちをそう多くは見てやれない事の方が多いだろう。あいつらは弱い、だからお前たちで守ってほしい』
『お前たちはあの家の小間使いたちの中でも、群を抜いて強いと思い引き抜いた。これから稽古もつけてやる』
この家を任せられる人間を、俺は選んだつもりだ。
その目にはしっかりと、意思があった。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時