三十一話 ページ31
真希side
入学してしばらく、私は親が同じ禪院だという恵の世話を悟に任されていた。礼儀正しいところもあるが、それはまだ慣れないのかどこかぎこちなくて、まぁ中々にいいやつではある。
今日もまた体術の特訓を行なっていた時だ。
休憩中に背後からいきなり悟が現れて、少し話があるという。
「ああ、真希にも聞きたいからそこにいてよ」
「へーへー」
「恵。君のお父さんの話だ」
「…何も答えませんよ」
「大丈夫、もう大体調べはついたんだ。だから教えてほしい、彼の居場所を」
恵は驚いた顔で悟を見上げ、しばらく考えたのち「知りません」と答えた。悟は何度か聞き返すが本当に知らないと判断したのか、今度は私に視線をよこす。
「真希はさ、云須さんって知ってる?」
「何でお前が知ってんだ」
「お、当たり?」
「…云須さんのこと調べてんなら、もう知ってるだろ。あの人はもう」
「生きてる」
言葉をつづけようとした口を開けたまま、私は瞳を揺らす。あの人が生きている?そんなバカな事があるか。私は確かにあの人の死んだ様を見たんだ。
握っていた獲物の柄をバキリと折って、悟の胸ぐらを掴んで引き寄せる。
「いいや、いいや!!云須さんはもう死んだんだ!」
「上からの命令で云須さんのことを調べろって言われてて、宗家にも赴いた。結果、生きてる事が分かったんだよ」
「教えてくれない?」
「……うちの連中はまだ死んでると思ってるぞ。まず、あの人には最後に家に来た日以来会ってない」
悟は納得したように姿勢を正して手を顎に当てた。
そんなこいつを他所に、私の心の中には喜びが溢れていた。
云須さんが生きている。
嬉しくてたまらなかった。もし本当だと信じていいのなら、私は真っ先に実力を見せたい。あのとき以上に強くなって、大抵の奴らは見返せるようになったんだと。
褒めて欲しいというのもある。
一度しか会ったことがないのに、どうしてこんな思いになるのかはわからない。けれど、とにかく今の私は浮かれていたんだ。
任務で軽いヘマをするくらいには。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時