二十四話 ページ24
五条side
あの屋敷に訪れてから数年が経ち、僕は二十七歳。
恵は中学三年生になっていた。
お互いに様々なことが起こり、彼の父親代わりとなっていた男は、あれほどまでにも僕を嫌い恵を隠していたのに、どうしてか使用人に連れさせて恵を僕へと託した。
恵は何も答えてくれなかったが、使用人であった宇津根という女性はこう答える。
彼は貴方にチャンスを与えた。
それを、決して、蔑ろにはしないで。
と。
どういう意味なのかはわからない。けれど、僕に対して何かを許そうとしていたのだろう。僕はそれに応えたいと思った。
傑の件もあったし、何より、この世界を変えたかったから。
だが、その数日後。
上層部からある任務が下される。
内容はある人物の捜索と、捕縛で…告げられたのはその術師の名前と出身校の京都校についてのみ。あとは自分達でどうにかしろとのこと。
その呪術師の名前は禪院云須。
かつて特級呪術師であったという女性だった。
なんの情報もないままでは埒があかないので、僕はひとまず家の者に恵を任せ、京都校に向かい、歌姫に掛け合った。
「…ってなわけ」
「情報提供なんて癪だけど、学長から許可は降りてるし、仕方なく教えてやるわよ。その云須?って人のことについて調べておいた。先に教えられてたし」
「さすが歌姫」
「ふん。…禪院云須はかなり前の卒業生よ。私たちがまだ生まれてなかった頃のね。学長は知ってるみたいだけど、何も教えてくれそうにない」
「だろうと思ってたよ。禪院家絡みなうえ、上層部からすればかなり有益な存在だったみたいだから」
下調べによると…と言っても、彼女を知る人物に数名質問した程度だが。人相はとてもよく、仕事もちゃんとこなすし、何より上層部からは好印象だったそうだ。
「でも、どうして今頃その人を探せって?」
「わかってればこんなことしなくて済んでる。うちのにも調べさせてるけど、なんか情報がないらしい」
「え?戸籍ぐらいあるでしょ」
「ないの」
驚きの言葉にさらに疑問を深める歌姫。
僕もまだ信じられない、だって何一つ情報がないなんてありえない。
名前だけが存在するなんざ、おかしすぎるだろ。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時