十七話 ページ17
五条side
要は、
テメェで取り戻して落とし前つけろ
そう言うことだろ。
言いたいことは分かりきってんだよ。
けどな証拠が出てこない以上は手の出しようがねぇだろう。そんなこともわかんねえのか、こいつらは。
「大問題だってのは重々承知してますよ。ええ。あなた方のお立場が危うくなるってのも分かってますとも」
「ならば！」
「でもね」
こればかりは本当に分からないんだよ。
マジで、どうしようもないくらいには結果が見えてこないのだ。何せ一つも犯人に関する情報が上がってこない。もう何十回と現場と周辺の調査をさせているが、髪の毛一つ落ちてないっておかしいだろ。
残穢がないあたりおそらく呪詛師の可能性が高い。
それは明確だが、未登録の特級って線を捨て切れないのも事実。
周辺は森で、土の性質的には足跡が残るはずなのだ。
そう、たとえ雨が降ってしまっても、地盤が崩れたり余程の大雨でない限りは。
「…明神門は特定の人間や呪霊の情報を与えれば、その情報を持つ者すべてを強力な結界で拒む。言わば誰でも強力な帳を降ろせる、そんな呪物だ」
「もし、呪詛師の手に渡っていたとして。如何な被害が出るかわからんぞ」
「そんなだけ急かすんだったらあなた方が自ら調査に赴かれては？そろそろ、その重たい腰を上げた方がいいんじゃないんですか」
「小僧！」
「事実そうでしょう」
五条家が手を焼いてるんですよ？
あなた方の大切な盾が、いま目の前で手を挙げている。
「あなた方の目は節穴ですか」
「…っ」
こっちはこっちで、恵の件だってあるんだ。
そんなに手を回してらんねぇっての。
結果的に今回は特段解決するわけでもなく追い出されたわけだが…少し妙な気配があった。ずっと天井裏から何かが見ているような。
そんな気配。
ふと、目の前を一人の青年が駆け足で通り過ぎる。
見覚えがあった。
腰につけていた一本の刀に。
急いでその青年を追いかける。年は僕より二、三個上くらいの見た目、おそらくまだ二十代だろう。術式を使うと前みたいな事されちゃうから、出来るだけ自力で行く。
気づくと人気の無い路地裏にたどり着いていた。
.
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります！！ (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます！できるだけ面白く書けるように頑張ります！！ (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…！更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒野麻陽 | 作成日時：2021年2月17日 22時
