２５話 ページ27
死柄木side
この程度で怖気付くのがダメだってのか？
苛立ちと怒りを含んだ声で張り合えば、まだ子供だなと言われた挙句、出来損ないだなんて言われた。
じゃあなんだ。お前はビビらないって言うのか
「お前みたいなのがジャッジメントだなんて、とんだ迷惑だな。」
ジャッジメント
《そうかな？私から言えば君の方が迷惑だ。》
「なんだと？」
ジャッジメント
《人の話も聞かず、己の好き嫌いで決めるなど子どものする事だ。戦いはゲームでありゲームではないのさ。》
「じゃあ今もそうだって言うのかよ。」
ジャッジメント
《あぁそうさ。言葉もまたゲームの重要な要素だ。これらを制する者こそが勝者となる。君はこれに当てはまらない。》
《だからいつまでも敗者なのさ》
親に縋り付くだけではダメだ。
己が一人の人間とならなければ、人はいずれ死ぬんだから
こいつに何がわかるって言うんだよ。どうせ暖かい家で育って来たボンボンのくせに、よく言うぜ。そう思っていた瞬間顔の見えないそいつは大きく息を吐いた。
何回もへんな呼吸を繰り返すと、すぐに咳き込み始めた。すぐに止まると思っていた咳は次第に酷くなっていく
テレビ画面の向こう側が騒がしい
なんだ
信者
《ノア様！！メンター
《何してる！安定剤だ！！》
ジャッジメント
《ゴホッゴホッ…！！》
メンター８
《器具を揃えて、安定剤と鎮痛剤、それから心電図と点滴を急いでください。》
《大丈夫です、ノア。少し驚いただけですからね》
黒霧
「一体どうされたんですか！？」
オールフォーワン
《ジャッジ？ジャッジ！！》
いきなり先生が声を荒げた。
今まで聞いたことのない声に驚きながらも、俺は動くことができなかった。あの先生が叫ぶって事はかなりマズイ状況なんだろう。
どうしてこんな奴を気にかけるんだ？
俺にはわからない。
…まだ、わからないんだよ。
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作者名：黒野麻陽 | 作成日時：2018年4月30日 17時
