空っぽの暗殺者【 ONE PIECE 】 (ページ9)

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９話ページ9

ロズside

マリージョアへ向かう、と書き込んだ紙切れを元帥室に滑り込ませて本部の真裏へ足を進める。姿は見られない。部下の能力で普通の人間に見えるようにしてもらっているから。
背後にも前方にも人がいない事を確認し、真横にある窓を飛び越え、四階の高さから飛び降りた。
臓器が上へ引っ張られる感覚を伴いながら、重力に身を任せる。

着地しようとしたそのとき、不意に見慣れたアイマスクが現れ、ポスリと私を受け止めた。

「も～、あんなところから飛び降りたら危ないって、なんど言わせるのよ？ロズちゃん」

『別に怪我はしません。それより、こんな所で何をなさっていたんですか、クザン大将』

「ん？日課の散歩だけど」

『仕事をなさってください』

ゆっくりと足から降ろしてくださったクザン大将。わずかな身長差だが、私はミンク族の中でも大きな方だ。

測ったのはいつだったか忘れたけれど。

私服用に持ってきたコートに着替え、腕に正義のコートをかける。ちょいちょい、と私の耳を触ってちょっかいを出してくる大将。
もはや毎回恒例と言ってもおかしくはない。

「で、どこ行くの。任務？」

『いえ、マリージョアへ』

「！」

『呼び出しを受けたものですから、仕方がありませんよ。それから一月ほど休暇を頂きます、と元帥に伝言を頼みたいのですが』

「いーよ。たまには息抜きしてらっしゃいな」

『ありがとうございます』

僅かに笑みを浮かべ、用意されていた船に乗り込む。そこには四名の海兵の姿。

オムデン・ワーグナー。
カンヴィル・ユベリィ。
シビック・エドロンド。
トーハ・マクベスタ。

彼らは局員の中でも上位の実力を持つ海兵。
側付きの兵として認められている、実力者だ。

ちなみにトーハともう１人いる海兵が女性、残りは男性で構成された五人チームである。

「準備はできてますよ。いつでもどうぞ」

「マリージョアか、面倒ですね」

『仕事が終われば万国だから、少しは我慢して』

「「はぁい」」

気の抜けた返事に呆れながら、トーハに能力を解除するように頼む。
彼女はマボマボの実の能力者、あらゆる幻を見せることが可能な能力。おかげで私たちが認識されることは、ほとんどない。

優秀な部下だ。

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