空っぽの暗殺者【 ONE PIECE 】 (ページ6)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:20,021 hit

６話ページ6

ロズside

ナイフで便箋の折り目をスッと切り、中身を取り出す。真っ白で飾り毛のない手紙は、彼の几帳面さを感じさせてくれる。

まぁ、私ももちろん、真っ白な便箋と手紙なのだが。

そして、いかにも彼らしい達筆な字で綴られた言葉に、視線を動かし、読み進んで行く。
二、三行程度の時もあれば、一言の時もある彼の手紙。
毎回、私への心配事ばかりだが…今回はどうやら違うらしい。

謝罪から始まったその内容に、私は頭を抱えることとなる。

＿＿＿＿ロズ、すまない。

本来なら、いつものように、日常や業務について書くはずだったんだが…そうにもいかない事態になってな。

単刀直入に言う。
お前が兵を忍び込ませていた＂西の門＂を、ママの命令でクラッカーたちが襲撃した。

今回ばかりは俺やペロス兄でも止められず、事が進むままになってしまったんだ。

本当にすまない。

詫びとして俺の私兵を国へ向かわせている。
伝々虫で指示を出してくれて構わない、好きに使ってくれ。

差出人の名前を書かないのは、周囲の人間に互いのことを知られないため。

他にも理由は多々あるが…強いて理由を一つ述べるとするなれば。

この手紙の差出人である、シャーロット・カタクリが、私の夫であるということだけだ。

私の現在の姓はシャーロット。
シャーロット・ロズ。

なぜ彼と結婚しているのか、という昔話はまた今度にしよう。
仕事柄、お互いかなり面倒な地位にいる為、文通はしているが伝々虫は使わない。声が聞こえてしまうから。

…しかし、これはまた。大変なことだな。

＂西の門(ウエスト・ゲート)＂と書かれているこの島は前半の海の一つ、西の海(ウエスト・ブルー)の入り口とされる島のことを指している。

ここが私たちの言う、＂西の国＂。

前々からそんな気はしていたが、まさかクラッカーたちの仕業とは。
ママも一体、何を理由に機嫌を悪くしたのやら。

『私兵ねぇ…伝々虫は使わないって約束しただろうに』

映像伝々虫の映し出す映像を見て、誰もいないことを確認する。
机の上に置いてある伝々虫を手元に寄せ、背中の受話器を取れば、すぐにプルプルプル…とコール音を発し始めた。

.