空っぽの暗殺者【 ONE PIECE 】 (ページ4)

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４話ページ4

センゴクside

彼ら特殊諜報局の兵士たちは、基本的に夜の活動を主に担う。

目を背けたくなるような事実に、それとなく向き合い、私やガープたちの代わりに権力者の首に刃を立てている。

子供の頃から、ずっと。

泣きたくなるような事もあっただろうが、そんなものは御構い無し。

彼らは唯ひたすら、己の得物を手に、各国の夜へと飛んで行く。

血飛沫を身に受け、傷だらけの体を晒しながら、夜の闇を闊歩するのだ。
手玉に取った命は数多あれど、償うという意識すらない。

『人は確かに、そういうことをやめろと発言する。しかし現実を目の当たりにした日には、それを仕方がないと受け入れる。何も変わりゃしない日々が続くだけ』
『それを変えたところで何になるんです？また、ただその日々が続くだけなのに』

「何を言って…」

『現実を見られよ、戦場を知らぬ若き海兵。あなた方はあまりにも＂穏やかな戦＂ばかりを知りすぎている。故に、血を微量に流すだけで騒ぎ立てる』

コンコンコン……

〈…入れ〉

紡ぎかけた言葉を即座に別の言葉に置き換えた。

ロズの話す言葉は、彼らの間でしか交わされない言葉。私は聞き取れるし、会話することが可能ではあるが、一般の兵はそれを聞き取ることが出来ない。

発音が難しく、複雑で難解なその言葉は、短くも長い意味を宿す。

だからこそ、彼らの暗号として使われてきたのだ。

長い言葉は短く、短い言葉は長く紡がれる。
それが彼らの在り方。

〈お話のところ申し訳ないが、報せが届きました。どうやら西の国が滅んだようです〉

〈非加盟か〉

〈はい。既に人は送り込んでありますが、対処のしようがありませんよ〉

〈上層の人間は〉

〈既に追跡は終わっています。あとは指示を待つだけですけど？〉

諜報局の兵士が呆れ気味にそう言えば、ロズは棚から資料を取り出して、ある程度眺めるとテキパキと指示を出し始めた。
全ての事項を聞き終えた兵士がそっと部屋を出て行く。奥でゴソゴソと物音が響いた。

どうやら、兵士たちが睡眠の最中に起きたようだ。

彼ら海兵は傭兵に扮し、滅んだと報告された国へ赴くこととなる。

これが彼らだ。

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