空っぽの暗殺者【 ONE PIECE 】 (ページ17)

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１７話ページ17

コランside

レッドラインの上。
天竜人の住まうマリージョアに存在する中心の城。

パンゲア。

その城内の一室の扉の前に、私たちは佇んでいる。正装として各々が用意したスーツと正義のコートを肩に、目の前で行われているロズさんと五老星の会話へ視線を送るだけの時間。

ロズさんは私たちのはるか先に立ち、一人であの五老星の愚痴を正面から受けているのだ。

「コラン、少し抑えろよ」

「抑えてる」

「気持ちはわかるけど我慢して」

「お叱りを受けるのは全部ロズさんなんだから」

出来ることなら全て変わって差し上げたい。だけれど、彼らの前に立ち一心にその言葉を受ける覚悟など到底あの人には及ばないのは事実。

私たちができることは一つ。
彼女の代わりを戦場にて務めること。

私たちはそのために育て上げられた兵士だ。いくらでも役には立てる。
そう思っていると、ロズさんがこちらを見ていることに気がついた。五老星の視線もこちらを見ている。

特に私を。

『コラン』

「はい」

「お呼ばれだな」

「ビビんなよ」

「わかってる」

カツカツと石の床に響く革靴の音がやけに耳に着くことに気が付いた。どうやら私は緊張しているらしい。
こちらを向いているロズさんの口元に視線を向ければ、彼女は口の動きだけで意思を伝えてきた。

堂々とあれ。

なるほどと内心微笑み、五老星の前に立つ。
一礼して腕を背中で組む。

弱みを見せてはならない。瞬き一つに意思が宿るのだから。

「君がコラン・ユジムスか」

「はい。御前にてお話しすること、どうかお許しを」

「構わん。君に聞きたいことがある。君が西の国へ派遣されたそうだね。そこでこんなものを見なかったか」

差し出されたのは一枚の写真。そこには明らかにカタクリさんの私兵または、その兄弟の兵であろう、チェス戎兵の武器が写っていた。

「私たちはこれが何かを知っている。だから余計な事は含まず、率直に聞こう」

「あの戦場にビッグ・マム海賊団がいなかったかね」

「…まず、この写真を写した場所をお聞きしても」

「国の中心街から外れた北の郊外地だ」

私はその地区を担当してはいませんでした。

これが精一杯だと、私は判断した。

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