空っぽの暗殺者【 ONE PIECE 】 (ページ14)

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１４話ページ14

クザンside

お鶴さんの部屋から出てしばらく、俺はずっと本部内を歩き回っていた。告げられた真相を間に受けられていない、というのもあるが…何よりも衝撃だったのは、ロズちゃんへの監視だ。

もう目が付いているというじゃないか。

コツコツと自分の靴の音に耳を傾けながらも、ただ歩く。廊下の壁には自然と視線を向けてしまう。
ロズちゃんたちの部屋のことを考えるからだ。

自然な動作でまた前に視線を向けた。

すると、その延長線上に、一人の女性海兵が佇んでいるのが見えた。
誰なのだろうかと疑問に思いながら、気づくと彼女と近くのテラスで椅子に座っている。

「……君は」

俺の質問に一言も答えず、じっと俺の背後を見つめて微笑んでいる。
眉根を寄せて、不思議に思いつつ振り向くと、そこには彼女を怪しむスモーカーの姿。

そそくさと用事を済ませ、立ち去ったあいつの顔は、依然として怪訝な面持ちのままだった。

スッと視線を目の前の彼女に向き直す。

先ほどの続きのようにまた、「君は？」と質問を向けると、今度は素直に答えてくれた。
聞き覚えのある声で。

「ご存知のはずですよ」

「その声…ロズちゃん…？」

「局長から伝言を預かっております」

「！」
「諜報局の子か。どおりで」

「お聞きしますか？」

「もちろん」

すみませんでした。

ただ静かに、そう一言、なんら変わらない彼女の声で言った。
おそらく俺にした、あの行動に対する謝罪だろう。

「それからもう一つ。先刻、この書類が届きまして」

「……これどうやって手に入れたのか聞いてる？」

「いえなにも。それを用意して頂きたく…とだけ添えてありましたが」

「……はぁ…これ、軍の最高機密なんだけど。俺でも手に入れられるかわかんないよ。それを、まぁ無茶も承知で送ってきたもんだねぇ」

半ば呆れながら、静かにため息をついてわかったと返事をした。

彼女のことになると甘くなる俺も、そこそこやばいな。なんて思ったりする今日この頃であった。

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