第五幕 ページ7
･･･
｢次いで、ドイツ、イタリア共に光線を食らい、
日本側へと勢力を広げていっています！
A様、軍隊の体勢も整いました、どうかご指示を＿｣
『今すぐ引け』
｢え…！？、しかし、｣
『民間人の避難は完了したのか？十分な場所と食料は
与えたか？国民の安全が何よりも優先されるべきだ。』
｢は、はい！もう既に…｣
『無駄な体力消耗は目に見えている。今更軍を出したとて、
アメリカ、ロシアの超大国までこのザマだ。
どう足掻いても無理だろ』
クレトニアにも刻一刻と迫ってきている緑の光線。
敵地まであの様子でかなうわけが無いと判断した
Aは、すぐさま王に伝達するように言った。
『…それと、お前ら軍隊は戻っていい。
今更軍を起動させるのも酷だしな』
｢は、はい！｣
『…』
既に画面には光線を受けた日本の"国会議事堂"の姿。
もう程なくして、クレトニアに来るのは当然だろう。
一人、空を見上げながら思った。
ーーー
『やはりこうなるか…』
Aも含め国達は、その悲惨な光景を目の当たりにした。
街の様子は殆どが白く平坦になっており、
それこそ人が見ても口を揃えて言うだろう
"奇妙だ"、と。
『…、』
ーー
ぐにゃぐにゃと曲がるビルや建築物の数々。
場はアメリカ・ニューヨーク州、残った国たちのみが招集をくらい、"国連仮設本部"に身を置いた。
辺りはもはや世紀末さながらである。
｢クソ…。
このままじゃ、本当に全員ピクト星人にされてしまうぞ…｣
｢冗談じゃないぜあんな美しくない格好…｣
ドイツの嘆きに同調するフランス。
それに続いてイギリスも同情している。
｢しかし、軍事力も全く役に立たないとはな…｣
｢お腹すいたよ〜…、
ヴェ！？Aちゃん寝てるの…？｣
そんな国たちをよそに爆睡をかますA。
『Zzz…』
｢よく寝れるアルな…｣
｢こんなことで挫けてたまるか…！ここはとりあえず、みんなで団結しようじゃないか！
…やだけど｣
｢そうだね〜、やだけど。｣
｢我ももう喧嘩はしないと約束するアル
…やだけど｣
｢やだけどな｣
｢嫌だけど、な…｣
｢そうですね。
やはりここはみんなで意見を出し合いましょう｣
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作者名：RYP！ | 作成日時：2022年8月11日 20時
