【APH】〈超緊急！〉同盟組む時の誘い文句

過去編 鏡に映る己自身 ページ35

･･･





鎖国を迎えてどのくらいだったのだろうか。



周りでは、戦争で荒れまくった後の復旧作業に追われている国ばかりを遠巻きに見つめていた。



まだ、戦争は終わっていないようだ。







あれから上司が亡くなった後、家の皆で協力してこれからの国の行方を決めていこう、という考えになった。
(ギリシャ式民主政権)



それはいいのだが…、。












周りの皆が変化していくうちに、自分だけが、自分一人が…












＿何も変わっていないじゃないか。





鎖国していた時期は全然何も考えないでただ、


武器を磨いたり、効率の良い殺し方を考えたりしていた
だけだったのに、







一旦ちらり、と他の国を見てみたらなんだあれは。







イギリスがいつの間にか海賊やめてたし、隣のフランスとバチバチになってるし、(それは元々)

なぜかドイツと前回潰したはずのイタリアで仲良くなってるし。







『…なんで、自分だけこんなんなんだよ…』





自身から発された声は、自分でも情けないと思った。


ーー





普通になりたい。






ずっと前から思っていたことだった。






好き好んでやっている訳では無いのに、

戦争の最前線に立って誰彼構わず
何万もの命を、銃や刀の一振で消してきた。






当時が大戦争のさなかだったからか、
それは分からなくもないが。





しかしながら、なぜ自分がこんなに苦しいのか、
こんなに辛いのか、そもそも辛いってなんなんだ。






全てを知っているように見えて、全てが分からなかった。




嫌だ、とてつもなく嫌なんだ。













ーーーー



もうこれ以上は、誰も殺したくなんかない。




感情がどんなものなのか分からない。
嘘をついて、また自分を隠した。







ほら、もう大丈夫…。





…にこり、扉を閉じて闇の中へと引き篭った。










『…さあ、次は何処が相手だ?』





本当の悪になってやろうじゃん。

全員敵に回しても良い。誰が死んでも構わない。










かかってこいよ。



鏡の前の自分にナイフを突き立て、
不敵に笑う"化け物"がそこにいた。

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