過去編 助けてくれない ページ33
・・・
戦闘恐_
かつてのクレトニア王国の異名である。
その国は戦争において群を抜いた兵を持ち、
国の広さは劣るのに対して、ロシアやドイツと対等の
強さを誇っていた。
_相手国ではその強さから恐怖してしまうほど。
という意味で付けられたようだ。
ーーー
「おい、お前」
『…なんでしょうか、少佐殿』
少佐、というよりは役立たずの上司、とでも言うべきだろうか。その腐った性格、立ち振る舞いが気に食わない。
「いいか。お前は今日…戦争の最前線に立ち、
周りの部下共を率いて指揮を取れ。」
『…、最前線で指揮、ですか…』
「そうだ。出来ないとは言わせない。
…なぜか?決まっているだろう。_"命令は絶対"だ。」
やっとの事で青年期を迎えた少女にとって、それはあまりにもむごく、残酷な決断だった。
否、少女かも危うい人生を歩み、男として生きるよう
選択を余儀なくされた"少年"の心で。
彼は答えた。自身の全てを投げ打ってでも、絶対に_
『…承知しました。…少佐殿』
今までの重たい空気がなかったかのように。
知らず知らずのうちに人を殺すかのように、満面の笑みで
にぱっと笑った。
満面の笑みのはずなのに、
完全に心が無くなった、空っぽの人形のような
感覚になった。
ーーー
『…、』
戦場では、火薬と肉の焼けるような匂いが充満していた。
誰も声を発さず、塹壕(ざんごう)に隠れ、敵軍の様子を
じっと伺う。
今回のこちら側の目的は、敵軍の再起不能、及び軍事政権の欠落を中心として行うこと。
そう、自分の合図によって、全てが動く。
…どうにか…計画通り、に。完全に据わった目をして、
お互いに銃口が向かい合った。
『…全員!!!出撃!!!!!』
気持ちを押し殺して大声をあげた。
_自分から地獄を作り上げるなんて、思ってもいなかった。
そんな思考はどこかへ置いて、自身の体を滑り込ませ
仲間の間に隠れるようにして引き金を引いた。
もう、やりたくない。とは何百回思っただろう。
並んだ死体を盾にしながら這い上がるこんなクズを、誰かいずれ殺してはくれないか…と酷く願った。
ーー
え?なんか重くね???
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うさぎ丸(プロフ) - 親分推しにはたまらん回 (2022年7月17日 8時) (レス) @page38 id: 330c134a9f (このIDを非表示/違反報告)
トレーダ - 絵上手いですね!絵が上手い人って憧れます! (2022年7月12日 0時) (レス) @page23 id: 36f3d357e5 (このIDを非表示/違反報告)
RYP!(プロフ) - うさぎ丸さん» ありがとうございます!!後でもう一度書き加えるかもです (2022年7月10日 22時) (レス) @page22 id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ丸(プロフ) - 絵可愛い......しゅき............ (2022年7月10日 21時) (レス) @page22 id: 330c134a9f (このIDを非表示/違反報告)
トレーダ - 今日の更新最高! (2022年7月9日 13時) (レス) @page16 id: 36f3d357e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RYP! | 作成日時:2022年7月2日 16時