【APH】同盟なんか組まなくても

第169話 兄弟的相対性理論 ページ15

･･･




あれから数分、皆して会議時間の変更により自由時間が広がったためそれぞれが好きなことをしていた。

ある者は本を読み、またある者はうたた寝をし、ある者は他の国と話を弾ませる。












そして私は＿＿＿。







｢でね？お兄さんがそこで言ったワケ、"君の美しさは星にも及ばない"って！したらその子メチャメチャ泣きはじめてさあ！｣







何故か隣国の惚気を聞く羽目になってしまっている。
しかもこの男、会話の8割がナンパである。


そして毎度の如く話のオチには振られる。



『…はぁ、

星って恒星の死骸が集まって出来ているらしいよ』


｢やめよっかこの話｣




多少はこうして沈静化するものの、またすぐに別の話を切り込んで来るのがフランスという国なのだ。
早くも4回目に突入しようとしつつある。




『ねえ、思ったんだけどさ』

｢なに｣






『国の兄弟って皆性格真逆過ぎない？』

｢急に？？？｣



ただフランスのつまらない恋路物語を終わらせたいがために考えた話題だったのだが、正味面白くないことが判明。

と言っても気にはなっていたところ。







｢うーん…、でも確かに不思議だよね。｣

『でもちょっとモナコっぽさはあるんだよね』






｢こういう兄弟間の事はホスト国のアイツに聞くのが一番早いんだけどなあ、居ないし｣







もはや国的七不思議に掲載されてもいいのでは、と思いたくなるこの兄弟二面相対理論()に表情筋が死につつあると、フランスが何か閃いたようにポンと手を打った。

絶対に嫌な予感がする。





『…分かった、一応聞いてやるけど悪いことじゃないよな』





｢え、なにAちゃん。俺がいつ悪事を行おうと思ったのさ？｣

『現在進行形だよ馬鹿』



思わず今回の会議で使うはずの資料を拳でぐしゃりとひしゃげてしまう。逆に無自覚なのが怖いまであるよこの国。




｢お兄さんさ、今から他国の兄弟で格付けするわ｣


『それ会議前にやること？』






何を言い出すかと思えば、唐突に｢国の兄弟格付けしたい｣と素っ頓狂な事を言い出す始末。

事の発端はこの話題を取り上げた自分だったと眉間に手を当てため息をついた。





｢じゃあそうだなあ〜…まずはやっぱり彼処に座ってるイタリアからでしょ！｣


『兄弟の代表格って言うより片割れが出席していないけど』




アイツ本当に弟に押し付け過ぎじゃないの。



｢おや、お2人ともお揃いでどうしたんですか？｣



ーー
菊ちん、降臨

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