第167話 陶酔 ページ13
・・・
「それより、あれ以来全然来ないね〜」
『おいイタリア人』
そもそも社会人云々よりも人間としての基礎が出来てない。ホウレンソウが当たり前となっている日本にでも見せたら失神するんじゃなかろうか。
なんて小言を吐いてみるものの意味など無いに等しいまである。
「まぁ、俺ん家だししょうがないよね〜。Aちゃんも一緒にシエスタでもする?」
『うーん、やめておこうかな。』
何も無いんだったら帰りたい。
脳内はピシッとした身体と裏腹にそんなことを思う始末。
くあ、と呑気に欠伸をするイタリアからは疲労の様子が見てとれる。
きっと彼にとって慣れもしない仕事を淡々とこなし憔悴しきっているに違いない。
そんなことを思っていたのが悟られたのか、途端にパチリと目が合った。
「でも、Aちゃんは凄いよね
いつでも背筋がピシッてしてさ。なんていうか、」
___"模範的?"
『…』
「俺には出来ないな〜、そういうの
だって争い事は苦手だし、ずっとそんなままだったら心が壊れちゃうもん。」
だからAちゃんは偉いね〜、と骨ばった指先が自分のブロンドに当たり頭を撫でる。そのままゆるりとした微笑みがこちらに向く。
俺に向けられたその笑顔はいつもと変わらないはずなのに、
ひどく、怖かった。
冷や汗が止まらなかった。
「?どうしたの、大丈夫?」
心配を含んだ瞳が、ゆっくりとこちらに開かれた。
「大丈夫、もう来ないみたいだしそろそろ帰るよ」上擦った声が足早に立ち去ろうとする。
扉が閉じてから、最後に思い出したのはイタリアの不思議そうにこちらを見つめる様。
"なんていうか、_模範的?"
"ずっとそんなままだったら心が壊れちゃうもん"
あなたは、私の何を知っているの。
『何かに、乗っ取られているような』
この瞬間だけは、陶酔したような気分になる。
ーー
おっとクレトニア最終章の伏線?…では無いと思います。
オチがつけられなかっただけです。
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RYP!(プロフ) - おまけ書いてて一番楽しかったです。特にプロローグが一番好きですね。ココ息抜き (7月30日 0時) (レス) id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
蝋梅@世界史好き(プロフ) - 確かに、ヘタリアで性格が似てる兄弟姉妹って見たことないですね........ (5月27日 14時) (レス) @page17 id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
rey - RYP!さん» ですよね、ヘタクラのリア友とはオリキャラ作って勝手に絡ませてニヤニヤしてますn(((((( (5月15日 22時) (レス) id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
RYP!(プロフ) - reyさん» コメントありがとうございます!ですよね、ポルトさんは個人的に色気と言うよりえっっっっっ(( (5月14日 10時) (レス) @page3 id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
rey - 初めてコメントさせていただきます、続編おめでとうございます!!このシリーズずっと読んでいたのでうれしいです.....それと157話激しく同意です。ポルトさんは何より色気g(((おい (5月5日 6時) (レス) id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RYP! | 作成日時:2023年4月25日 21時