第165話 ヘタレなイタリア軍 ページ11
× × ×
「さぁて、新入り君の兵役審査始めるよ〜!
イタリア軍に入って俺と握手〜」
ふんす、と意気込んだ様子で目の前の書類を広げる彼は、枢軸国でも代表的なメンバーの一人・イタリア。
本来はこういう風に軍事政権にも力を入れてい___
…くべきはずなのだが、イタリア軍はなんと言っても弱い。マジで。
それはフランス軍の白旗を挙げる速さにすら匹敵するくらいなのだが。
『どうも本調子だね…』
「うん!どんな人が来るのか楽しみなんだ〜」
兵役審査。
この国とは似合わない言葉の羅列だが、軍隊を結成する上ではなくてはならない存在。我が国も同様に審査は行われる。
だがしかし、イタリアが行うのが気がかりなのだが。
『だからって俺は何のために…、』
「Aちゃんにも俺の仕事ぶりを見ててもらおうと思って!」
「俺だってやればできるんだからね!」と自慢げにポーズを決めるイタリアが最早不安しかなくて早く始めようと催促する。
『そうだよね、じゃあサクッとやっちゃおうか。』
__あくまでも、口は出さずに。
_今回、活躍を見せるのはイタリアだから。
思わず何か言いかけた口を慌てて塞ぎ、未だにポヤポヤしているイタリアへと目線をずらした。
「それじゃあ、最初だね〜!えーと、」
彼は器用にペラペラと資料を捲り内容を読み上げる。
・転倒した後松葉杖で軽傷_とのこと。
(これくらいならば軍隊は行かずとも社会服務要員だので駆り出されるから比較的マシ、なのかも。)
と思っていたのも束の間。
横でイタリアがガサガサと書類にサインを入れていた。
"兵役免除 受理書"
と書かれた紙に。
『っえ、ええっ!あ、ぁの…!!』
思わず出た声が感動詞だけなんて。そう思っている時間すら意味を成さない。
と言っても。
『ッ、勿体ないよ、さっきの人使えたのに』
ただ単に使えた駒を捨てたのに驚いた、それだけだ。勢い余ってイタリアの肩を引っ張る。
『…っわ、』
よろめくと思ったものの、体勢のひとつも崩れないまま逆に引っ張られてしまった。
「んー、そうだなあ。本当は戦いだって出れた…、でも。
あの人にだって家族がいて、幸せな家庭がある。
俺だって、元々戦いは好きなんかじゃない」
そのせいで、大切な人を失うから___。
いつもおどけたその表情が、やけに綺麗に見えた。
ーー
オチはしっかりギャグになる。予定
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RYP!(プロフ) - おまけ書いてて一番楽しかったです。特にプロローグが一番好きですね。ココ息抜き (7月30日 0時) (レス) id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
蝋梅@世界史好き(プロフ) - 確かに、ヘタリアで性格が似てる兄弟姉妹って見たことないですね........ (5月27日 14時) (レス) @page17 id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
rey - RYP!さん» ですよね、ヘタクラのリア友とはオリキャラ作って勝手に絡ませてニヤニヤしてますn(((((( (5月15日 22時) (レス) id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
RYP!(プロフ) - reyさん» コメントありがとうございます!ですよね、ポルトさんは個人的に色気と言うよりえっっっっっ(( (5月14日 10時) (レス) @page3 id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
rey - 初めてコメントさせていただきます、続編おめでとうございます!!このシリーズずっと読んでいたのでうれしいです.....それと157話激しく同意です。ポルトさんは何より色気g(((おい (5月5日 6時) (レス) id: 8ed1b41a7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RYP! | 作成日時:2023年4月25日 21時