第7話 Part14 がん細胞 ページ34
× × ×
「トドメを刺したんだな2469番。
お前の仕事ぶりが見れたのは久しぶりだ、よく頑張ったぞ」
『お前は母親か』
血濡れの手で頭撫で撫でルートを頂きましたAです。
何一つ嬉しくない。
がん細胞の亡骸を見ながら哀愁漂わせていたところにコイツだ。もうちょっと浸らせてほしいのだ。
「あ、白血球さんたち!ご無事で〜!!
っは、ソイツが今回の敵ですか!?」
後を追うようにやって来たのは赤血球ちゃんこと3803ちゃん。
返り血ヤバいからあんまり寄らなくてもいいよ、と念は押してみたものの、「赤血球だって血液ですから!」の一言にぐうの音も出なくなった。
「がん細胞ですか?怖いですねえ…、」
「怖くはないさ、…もうAがトドメを刺した。」
『まあね、ひとまずは…』
いつか必ず…僕はこの体にまた現れてやる…!!
どんな手を使っても…!
そしてお前を殺してやるよ……
それまで精々不摂生を続けることだな…!」
なんて、新手の俺がお前を殺すよプロポーズを貰ったこちら側としてはどうにも形容し難いものである。
多分白血球じゃなかったらまともに答えられなかったと思う。
「それしても…、赤血球。
お前がほかの免疫細胞を呼んでくれたんだな。
ありがとう、助かったよ」
『え?それ本当?…赤血球ちゃん、どうもね』
「お二人とも…、はいっ!」
どうやら本当そうだったので、感謝の意を述べた。
にこやかに笑う笑顔が眩しくなって、照れ隠しにクッキーを渡す。
「お前、そのクッキー何処から…」
『「樹状細胞より 愛をこめて〜っ」…でお馴染みのクッキー』
「わ、甘くて美味しいですね!!」
いつ取ったんだと言われ、ちょっと前かな、なんて曖昧に返した。
すると、1146番はまたもや困ったような顔をする。
これが、この世界。
ここの日常なのだ。
「それと、さっき何の話をしてたんだ?」
『ん〜、色々?』
その後、マクロファージさんに見つかり連行されるのはまた別のお話。
___
…じゃあ、最後に僕からも一言いいかな。
_君は、
何に怯えてるんだ?
『ふふ、…"何に怯えてる"…ね、』
ー第7話 がん細胞 完…?ー
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RYP!(プロフ) - 本当に筆折れたりしがちな作者の尻を引っぱたいてくれてありがとうございます!!そんなに楽しみにしていただけたなんて…。練ってはいるんですけどね、…筆が!!…「コイツどーせ面倒くさくなってんだな」って思ってやって下さい( ߹꒳߹ ) (12月25日 23時) (レス) @page35 id: 4d2d529cd2 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - わっ…‼︎凄く嬉しいです...‼︎‼︎コメントした時点でもう更新ないかな、と思っていたのでまさかのサプライズ的で本当にもうサンタさんありがとうー!!!って感じでもう本当に嬉しいです😭💕 (12月24日 6時) (レス) @page35 id: edc1be7ede (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 黄色ブドウ球菌の更新楽しみにお待ちしております!!! (2023年4月23日 9時) (レス) @page35 id: a43bf613b6 (このIDを非表示/違反報告)
凩(プロフ) - ヒ……APHの方から来たんですけどめっちゃ好きです…。 テスト勉強大変そうですが、負けずに頑張ってください…好きです……………… (2023年2月19日 22時) (レス) id: 6676e97410 (このIDを非表示/違反報告)
しょう - めっちゃ好みでした!続き楽しみです!テスト頑張ってください! (2022年6月20日 23時) (レス) @page22 id: b8eda32ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RYP! | 作成日時:2022年5月21日 21時