はたらけ細胞！！【はたらく細胞】

第7話 Part10 がん細胞 ページ30

× × ×






｢ゔ…、2469番…！！、…そいつは転移しようとしているﾞ…！、｣



『ほら仕事の話になっちゃったから堅物が起きちゃったじゃん！！！』


ガラクタだかなんだかの下敷きになっていて起きることは無いだろうなんて過信していたから！！
後で救助すればいっかなんて思っていたらさあ！！


しかも転移って。一番アウトなやつそれ。



『とっ、とりあえず！君の事情はよく分かった！
生まれたらクッソ怖いオラオラT細胞に殺されかけ、圧倒的イメージダウンの白血球に追われ、色々大変な今！



ねえもう俺帰っていいかなあ！！？』





｢もういい…。これから僕たちは血管とリンパ管を介して身体中に散る。そこで増殖して、お前らの仲間を残らず殺す。

正常な細胞共を、"殺す側"から"殺される側"のどん底に叩き落としてな。｣




必死の訴え→聞いて貰えず。





なんか聞いてもないのにこれからの流れ説明してくれてるがん細胞。もしかして説明ナシに｢はい実践｣の白血球・好中球課よりも待遇良いのでは。



｢…馬鹿なことを…、ｯ…狂った細胞達の力では、この世界を維持できる訳が無い…

そんな事をしても…、その先にあるのは滅亡だけだぞ…ｯ｣




か、かっこいい！！

この男が｢細菌ブッコロース！｣の張本人だと思えないほどカッコよく見えてしまう。

因みにずっとこのままのテンションでそろそろ疲弊してきたので帰ろうとしたところ縛り付けられ捕まった、解せぬ。


『う、意外と気持ち悪いねこれ。』



｢ｯ静かにしてろ…ちびっ子が…！｣

しかも目の前にキラーT細胞が倒れてるからずっと話しちゃう。姉貴は何か…恐れ多いから。




｢いいんだよ、そんなの。

どうせ僕は"死ぬ運命"だから…。




じゃあな｣


背中から生えた翼でがん細胞が飛び立とうとした時。
激しい鈍器の音が鳴り響き、そのまま彼の背中に突き刺さる。

それよりあのナタに見覚えしかない。


それでも一瞬の隙が出来た、と言うことを察知して咄嗟に飛び起き、自分に纏わりついた触手を一刀両断。
ついでに周りの仲間も救出。

｢ｯな、…！！｣







｢あらあら〜、
頭狙ったのに外しちゃったわね〜｣


｢皆さーん！！大丈夫ですか〜！！！｣




ひ、と漏れた感嘆詞。
目線の先には何万もの細胞達が集結していた。その中には、よく見知った顔馴染みも居る。



がん細胞だけでなく、私の顔色まで悪化してしまう羽目になったのだ。

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