最強の天然ガールは個性で今日も愛されます【ヒロアカ】【逆ハー】 (ページ4)

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第3話【私がヒーローを嫌う理由。】ページ4

『んーと、これ、どーいう状況～？』

私は今、轟くんにお姫様抱っこをされている。
轟くんは氷を使って後から追いかけてくる朝の彼から逃げている。

轟｢A、空気から壁に変えられねえか｣

『大丈夫～、厚めで高ーく広ーくするから少しの間寝ちゃうけど、大丈夫～？』

轟｢ああ｣

私は空気をコンクリートに変え、大きな大きな壁を作る。
そして、私は意識を手放した。
簡単に言うと眠りに落ちた。

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『おかー…さん？』

｢なっ…！？｣

おかーさんは人を殺していた。
男の人を、包丁で。
血塗れになった男の人が倒れていた。

『この人…びょーいんに連れてかないと…』

｢黙りなさい。｣

母は私に言った。

｢人を殺さなきゃ、貴方に価値なんて無いの。｣

｢殺しなさい。ただ、殺すのよ｣

幼かった私は頷く事しか出来なかった。
勿論、殺しなんてしなかった。
その後も、1度も。

『おとーさん…？おかーさん…？』

いつしか、母は母で無くなり、父も同様に変わってしまった。
言うなれば異形のモノ。
紛い物。

世の中ではそれを、化け物(ヴィラン)というらしい。

『嫌だ！おとーさん！おかーさん！』

父と母は商店街で暴れていた。
もう人の形じゃ無くなっていて。
人を殺し、建物を壊し。

商店街は封鎖され、ヒーローしかそこに立ち入る事はできなかった。
ヒーローはただただ私のおかーさんとおとーさんを虐めていた。

私は手を伸ばしていた。

｢やめなさい！あれに近づくと危ないぞ！｣

『嫌だ！あれはおかーさんだもん！危なくないもん！』

おかーさんとおとーさんは、最早捕まえる事など出来ずに、
ヒーローに、

殺されていた。

『おかーさん…？おとーさん…？』

あんなに好きだった両親を殺したのは、
人を救う筈の、正義である筈の、ヒーローだった。

『ヒーローなんて、大っ嫌い…』

私はただただ泣いていた。
1人で殺す事なんて出来ない。
でも殺さないと生きる意味がない。

殺し屋の娘として生まれてしまったのだから。

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『おかー…さん…』

私は未だ夢の中で泣いていた。

子供の頃、あの日のように。