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出陣3 ページ28

食事をとってしばらくたつと、あれほどプルプルとしていた体が、大分動くようになってきた。
 
あまりの回復力に驚いてこんのすけに聞くと、刀剣男士が作ったものには、無意識のうちに霊力がまざるため、それを含んだ食事をとり、回復が早まったのだろうということだった。

現実味がない話だけど、実際に身をもって体験したことなので、信じざるを得ない。

そして今私は何をしているかというと、こんのすけにどこかに案内されている。

どこに行くのか、何をするのかといっても、着いたらわかります。とだけで、なぜかもったいぶる。

不思議に思いながらも、話してくれないからにはどうすることもできずただひたすらついていく。

こんのすけ「こちらの部屋になります。」

歩みをとめ着いたのは、普段私達が生活する屋敷から離れた別邸だった。
筒状に伸びた、3階建て。その最上階の部屋だった。
階段をのぼってすぐ目の前に現れた大きな障子。
桜の木からはらはらと桜が舞う絵が描かれている。

こんのすけは片手で器用に障子をスパーンっと勢いよく開けた。


その瞬間、目に入ってきたものに、私はア然とした。

そこにあるのは、和とはかけはなれた、洋室。
アンティーク調の美しい家具が立ち並ぶ。
 
しかし私が驚いたのはそこではなかった。

あちこちに設置されている細長い棒から浮かび上がるコンピュータ画面、壁には地図のようなものが大きく飾られ、次々と地形を変える。

どこの景色なのだろうか、様々な景色がテンポよく切り替わる透明なスクリーン。それには人の姿が何度も映った。

引き寄せらるように、私はその透明なスクリーンに近寄った。

まるで昔の日本のような、長屋が立ち並ぶ町は着物をきた人々で賑わっている。かとおもえば、海辺でふんどし一つの姿で魚を捕る男の光景が映ったりもした。

パッパッパっと変わりゆくには必ずひとの姿があった。

水瀬ひなこ「こんのすけ、この部屋何?」

こんのすけ「こちらは審神者様が時間遡行軍との対戦を管理したりと、政府からの様々な仕事をこなすための執務室でございます。」

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作者名:PANANA | 作成日時:2020年12月19日 8時

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