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出陣2 ページ27

加州「こんのすけが言うには、主の体は今かなり霊力が抜けてる状態なんだって。薬研を顕現したので。」

ということは、まさか、たった一振り顕現するのが、私の限界ってこと…?
それって普通のことなの?

それとも私が極端に霊力が少ないってことなのか……

もしそうだったら、

水瀬ひなこ「私、貧弱すぎない?」
 
加州「まあ……うん。」


加州はバツが悪そうに、あからさまに顔を私からそらす。

その反応に、ガーンとショックを受ける。

これから戦いに出たりなんなりしなきゃいけないのに、顕現で手こずってるわたしって……。

かなり…やばいのでは…?
 
加州「でも、最初なんだし、仕方ないでしょ。初めからなんでもできるわけないんだし。」

別の理由で震えが止まらない私を加州は励ますと、またおじやの入ったれんげを私の口元に運んだ。

加州「とりあえず、今はちゃんとご飯たべて元気つけなきゃ。」

水瀬ひなこ「……うん。」


私は素直に差し出されたおじやを食む。
羞恥心に勝るほど現実の厳しさを実感し絶望していた私に拒む気力など皆無だった。

もぐもぐもぐ…

水瀬ひなこ「……おいしい。」

加州「よかった。」

加州は嬉しそうにはにかむ。

食欲は絶望していても健在のようだ。
自分のことながら呆れる。

そうして私は加州に食べさせてもらいながら、ペロリと加州御手製おじやをたいらげたのだった。

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作者名:PANANA | 作成日時:2020年12月19日 8時

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