また会おう ページ38
「どこでっていうか……ずっと持ってたっていうか……」
私がそう答えると、クロロは握る手を強めた
「お母さんから何か聞いてないか？ この羽の事」
クロロは尚も食い下がらない
「私、お母さん……っていうか、家族いないんです。幼少期の記憶もなくて……」
クロロはそこで握っていた手を離し
また顎に手を当てた
「そうか……悪い事を言わせてしまったな」
そう言うクロロに、なんだか気を使って欲しくなくて
「いえ、いいんです。私自身、よくわからなくて……。ハンター試験中には私が翼人なんじゃないかとか言われちゃったりして……」
そう言って笑うとクロロは目を光らせたような気がした
「そうか……。それは災難だったね」
クロロは席から立ち上がった
私もつられて立ち上がって窓の外を見ると
外は綺麗な夕焼けで覆われていた
「女性があんまり遅くまで外にいるんじゃ危ないよ。良ければ送っていこうか？」
そう言ってクロロは私に手を差し伸べてくれたが
私はそこまでして貰うのは悪い気がして
「いえ、1人で帰れます」
手は取らなかった
クロロは名残惜しそうに手を下に降ろした
なんだか気まづくなり私は出口に向かった
「あっ、そういえば」
「えっ？」
クロロは私を見て何かを思い出したようだ
私は振り返ってクロロを見る
「敬語はいいよ。さん付けもしなくていい」
クロロは笑顔でそう言った
私はなんとなく
「バイバイ、クロロ」
と言ったら、クロロは笑って
「あぁ、また会おう」
と言いながら携帯を見せた
私も携帯を出してクロロに見せた
「うんっ！」
私はそのまま足早に帰路を歩いた
・
家に帰るととてつもない疲労が一気に出た
そう言えばここ最近気の休まる時間が一切なかったような気がする
私はシャワーも浴びずにベッドに飛び込んだ
ふかふかのベッドは実に気持ちがよく
明日からは本格的に翼人について調べようと思いながら
私の意識は簡単に夢の世界へと旅立った
・
朝起きるとまず昨日の格好のまま寝ていた事に気が付いた
急いでシャワーを浴びに行く
シャワーを浴びている間、ふとハンター試験での事を思い出した
ハンター試験で、ヒソカに直に背中に触られたのだ
その後に
『やっぱり君は翼人だったんだね♢』
なんて言われたんだっけ
私は鏡で自分の背中を見る
普通の背中だと思う
それとも、私の認識がおかしいだけで普通ではないのかも……
そう考えながら私はずっと鏡に映っている自分の背中を見つめた
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名無し - もっと作ってほしいです！続編見たい… (2023年2月20日 20時) (
レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2019年2月24日 20時
