簡単なトリック ページ32
「おいゴトー、いいか？ お袋に何言われても着いてくんなよ」
キルアは出ていく前にゴトーに釘を指した
「承知しました。行ってらっしゃいませ」
ゴトーは深々と頭を下げた
「ゴン、A、行こうぜ。じゃあな」
そう言って私達は歩きだした
屋敷を出たあとゴンが居ないことに気づき後ろを見ると
なにやらゴトーと話していた
しかしすぐに此方へ走ってきた
「遅せぇよゴン！」
「ごめんごめん」
キルアに怒られゴンは笑って詫びた
「面倒な奴らが来る前に急ごうぜ」
そう言ってキルアは私の方を見て
少し笑ったあと走り出した
・
「ああ、俺もそのトリックに騙されたよ。種明かしされると腹立つ程簡単だぜ」
「えっそうなの？」
あれから私達はゾルディック家から出て、のんびりと街を歩いていた
歩きながらお互いの話を聞いたり
着物のままだと動きずらいし、下駄も途中で捨ててしまっていたので
皆で私の服を選んで貰ったりしていた
まぁ結局は店員さんに選んで貰ったわけだけど……
それで今はゴン達が屋敷でゴトーとしていたゲームについての話になっていた
どうやらコインを投げて両手でキャッチしどっちの手にコインが入ってるかを当てるゲームをしていたらしい
コイントスの発展系のようなものだ
そして最後にゴンがゴトーと話している時に
間違いなく左手に入っていた筈が、答えはその逆
右手にコインが入っていたらしい
「おそらく、こういう事だろう」
クラピカはゴンからコインを取り
コインを投げてから両手で取るようにして左手でキャッチした
「どっちだ？」
クラピカが聞くと、ゴンは指を指しながら
「左手でしょ？」
と言った
クラピカは笑いながら右手を開くと
そこにはコインが光っていた
「えっ？ なんで？！ ねぇ、どうして？」
ゴンが驚いてクラピカを見る
私も驚いてコインを凝視する
「ゴトーは、コインを2枚持っていたのさ」
「さっき1枚しか……」
そう、投げたコインは1枚だけだ
「とにかく、1枚を右手に隠し持ち、もう1枚のコインを上げる」
そう言ってクラピカはまたコインを投げる
「そして相手に分かるように左手でとる。この時に少しコツがいる」
私はよく見えるようにクラピカの横から左手を見た
「どっちだと聞く前に、相手の目よりやや高い所に上げて、拳を握った状態で、さり気なく左手の中のコインを袖の中に落とす」
「おぉー」
ゴンは納得したように声を上げた
「残ったのは右手のコイン、というわけだ」
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名無し - もっと作ってほしいです！続編見たい… (2023年2月20日 20時) (
レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2019年2月24日 20時
