ほんの一瞬 ページ37
暫くキルアは黙っていたが
「…………すっげぇ、傷付いた」
と、なかなか心にグサッとくるような言葉を言いながら私の前で目線を合わせるようにしてしゃがんだ
「……なにか、事情があるのはあの時何となくわかってた、わかってたけど…………」
そう言うキルアの目は、何だか泣いているようだった
「本当はあの時、あんな言葉を言うつもりじゃ……なかった」
「……キルア」
私はそっとキルアに少しだけ近づく
恐怖心はもちろんある……だが
「……A、お願いだから……やり直してくれないか？ まだお前と話したいこと、いっぱいあんだよ」
「……キルア」
私はそっとキルアを抱きしめた
キルアは驚いてすぐに離れようとしたが
私は離さなかった
本当は恐怖心でいっぱいで
今にでも涙が出そうだったけど
それでも離さなかった
「……お、おまっ……平気なのかよ？！」
キルアは顔を真っ赤にしてながらそう言った
平気なわけない……でも
「今は……今だけは……」
＿＿こうしていたいの＿＿
そう言うとキルアは相変わらず顔を真っ赤にさせながら抱き締め返してきた
その手はまるで壊れ物を扱うかのように優しくて
妙にくすぐったくて
でも暖かくて
私は強く強くキルアを抱きしめた
一体どのくらいこんなに恥ずかしい事をしていたのだろうか
わからないけど
それは本当はほんの一瞬だったと思う
でもやけに長く感じた
私はそっとキルアから体を離すと
副作用のように涙やら寒気やらが一気にきた
「あ……あぁ……」
私が何とも言えない表情をしていると
キルアは立ち上がって
「ば、馬鹿っ……なれないことするからだろ！」
と言って倒れていた豚を持ち上げた
「ほら、行くぞ……皆お前の事心配してたんだからな」
そう言ってキルアは足早に歩き出した
「ちょっ……ま、待って！」
慌てて立ち上がってキルアの後ろを追うと
キルアの耳が真っ赤な事に気が付いて
クスリっと笑ってしまった
「な、なに笑ってんだよ！」
そんな声もキルアにバレてしまって
「ふふふっ……いや、何でもない」
そう言って笑うけど誤魔化しきれてなくて
「はぁ、お前ってこんな奴だったっけ？」
こんなやり取りがやけに幸せに感じて
キルアの横に小走りで近づくと
キルアはこっちをチラッと見てはフイっとそっぽを向いてしまった
「えへへー……キルア顔真っ赤」
「うるせぇな！ 黙ってついてこい！」
「はい……」
仲直り出来て……本当に良かった
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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね！応援してます！ (2018年1月25日 22時) (
レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます！コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます(￣^￣) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです！ (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2018年1月14日 16時
