最後に見たもの ページ33
霧の中を走り続けてからだいぶたった
前が見えないせいか方向感覚が狂い
走っても走っても変わらない景色に不安感を抱いた
さらにここはたいへん湿度が高いらしく
土はぐちょぐちょしていて走りずらい
そんな地面に余計に体力を削られる
一人で勝手に先に行ってしまったため
周りに他の受験者の姿はなかった
どうしようどうしようどうしよう
今更後悔しても遅い
私は迷ってしまったのだ
とにかく前に前にと進むが
一向に景色は変わらない
永遠にここに一人取り残されてしまうのではとさえ思えてくる
「はぁ……はぁ……はぁ……」
次第に息も荒くなっていき
私はとうとうその場に倒れ込んだ
ぐちょぐちょの土が服に、顔にくっついて気持ち悪い
それでも1度倒れてしまえばそこから起き上がるのは非常に困難だった
疲れが溜まっていたせいか眠気が襲ってきた
キルアに……謝らなきゃいけないのに…………
そう思いながらも体は言うことを聞いてくれない
腕や足が
まるで鉛のように重くなっていた
もう……無理…………
とうとう私は諦めてしまった
仕方がないよ
新人が合格出来る確率は本当に少ないし
私なんかが受けたって無理なんだ
次から次へと都合の良い言い訳がでてくる
本当はこれじゃダメだってわかってはいるんだけど
本当に……疲れたんだ…………
でももし叶うのならば
お願い……私を二次試験会場に連れて行って……
私の瞼は開いていることができなくなっていく
狭くなっていく視界のなかで最後に見たものは
綺麗な翼だった
・
・
・
「ん……うぅ…………」
目が覚めたら大きな門の前で倒れていた
少しの間思考が停止する
私は……なぜ…………
そこまできてようやく自分がハンター試験受けている事を思い出した
そして途中で諦めて草原で寝てしまったことも
キリアに……謝らなくちゃいけないことも
しかし思い出しても今の状況が理解できない
一体ここは何処なのだろうか
もしかしてここは不合格者が来るところ……とか？
いや、そんな話聞いたことないし
もしそうだとしても門の前で倒れたまま放置するわけないと思う
だとすると、本当にここはどこなんだ？
一人で悶々と考えていると
門とは反対方向に人影が見えた
目を凝らしてよく見てみると
そこには、サトツさんと他の受験者達がいた
皆こっちに向かって走ってきていた
＿＿チクリ＿＿
針で刺されたみたいな痛みを感じた
翼が……翼が痛いの
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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね！応援してます！ (2018年1月25日 22時) (
レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます！コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます(￣^￣) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです！ (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2018年1月14日 16時
