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終わらない試験 ページ32

キルアが私の手に触れた瞬間に身体中に悪寒が走る

別に嫌ではないのだ

寧ろ手を貸してくれるのは有難いと思う

けれど私の身体は嫌にキルアを拒んだ

「ひっ…………」

思わず小さく悲鳴を上げてキルアから手を振りほどく

ますます自分という存在が嫌になる

キルアは怒ってるかな?

そんな考えが頭を駆け巡る

でもキルアの顔を見る勇気なんてなかった

怒ってるかな? ……じゃない

そんなの、怒っているに決まっている

折角知り合ったのに

私は馬鹿みたいに前と同じことを繰り返してしまう

私は俯いて黙ってしまった

キルアはさっきからずっと黙っている

それがとてつもなく怖いのだ

するとゴンが気を利かせてくれて

「キルア! 違うんだよ!」

ゴンは必死にキルアを説得しようと試みる

「………………なにが?」

キルアは暫し黙っていたが少し低い声で答える

「Aはね! えっと……人が極端に苦手だから、えっと__その……」

「ただ苦手なだけであそこまで嫌がるわけねぇだろ……」

ゴンはなんとか言葉を繋げて説得するがキルアは相変わらずどこか寂しそうな声でいた

「本当にごめんなさ……」

謝ろうと思いキルアを見上げると言葉が詰まった

キルアの顔は、見たこともないような寂しそうな

そしてどこか闇があるような顔でいた

その顔は暗くて暗くて

こっちが泣き出してしまいそうなほど悲しげで

私はもうその場にいれなかった

「あっ! 待ってA!」

気がつくと私は逃げ出していた

ゴンの声も聞かずにただゴンよりも遠くへ遠くへと行こうとした

周りなんて見てられなかった

そんなだから急に誰かにぶつかりそうになった

間一髪のところで避けてその人を見ると

その人は一次試験が始まる前に騒ぎを起こしていたピエロだった

ピエロは私を見ると

何故かにっこり笑ってどこかに行っしまった

私が不思議に思っていると

受験者達がまた一斉に走り出した

「………え?」

まさかのまさか

第一次試験試験はまだ終わってはいなかった

キルアの事もあり一瞬このまま進むのを躊躇ったが

もう後には引けないし

何故か行かないと駄目だと思った

私はまた走り出した

絶対に合格しよう

合格して今度はちゃんとキルアに謝るんだ

じゃなきゃ駄目だ

絶対に駄目だ

そう思って

霧の中を走り続ける

私には今

キルアの隣にいられる資格なんかないのだから

最後に見たもの→←無知が故



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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね!応援してます! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます!コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます( ̄^ ̄) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Skin | 作成日時:2018年1月14日 16時

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