無知が故 ページ31
「ゴン、どっちが先にゴールできるか競走しないか?」
突然キルアがゴンにそんな賭けを申し出た
しかしゴンは、私一人だけ仲間はずれだと思ったらしく
「いいけど、Aは?」
そうキルアに聞いた
しかし今は競走なんてできるほどの余裕なんてない
そんな私の心情を知ってか知らずか
キルアは呆れたようにゴンに言った
「お前なぁ……Aはもう既にこの状態なんだぞ? 競走なんてできる体力残ってねぇよ」
「でも…………」
それでもどこか引け目を感じてしまうゴンに
「わ、私は……お構いなく。……後で絶対に合流するから…………」
となんとかゴンに伝えると
ゴンは納得した様子になった
「わかった。勝った方が1回奢りね」
「よし、乗った!」
すると2人は同時に
「よーい……どん!」
と言って一気にペースを上げて走り出した
ま、まだそんな体力が残っていたのか
二人とも一見華奢な体つきなのになぜあんなに体力があるのかがわからない
私だって普通の人よりも倍は体力あると思うのだけれど
天才を前にすると私は凡人になってしまうらしい
私は階段を淡々と同じペースで走る
いや、最初に比べれば大分ペースは落ちた
でもこれ以上落とすまいと一歩一歩を必死に進む
途中で何人もの脱落者を見たし
既に目の前には私と脱落者以外の受験者は見当たらなかった
それでもゴールまでは何がなんでも走らなきゃ
約束……したんだもの
ゴンと、レオリオと、クラピカと、キルアと
一緒にハンター試験を合格したい
私は彼らの友達だって胸張って言えるようになりたい
その為にはここで諦めてはいけない気がしたのだ
ずっと走っていると上の方に光があるのが見える
出口だ
私はラストスパートで足に鞭をうち少しペースを上げて走り出した
そして出口の1歩手前まで来て
ついにゴールした
そしてふと後ろを振り返ると
静かにシャッターが締まり
地下と草原の出入口が閉ざされた
本当に間一髪セーフだった
私は疲れたのと間に合ってホッとしたので
その場に膝から倒れ込んだ
そんな私にゴンはいち早く気づいてくれて
「あっ、A! よかった〜……全然見当たらないからもしかしたらって心配になったけど間に合ったんだね!」
そう言うとゴンは私が人と触れることが凄く苦手なのを気遣って
少し1mくらい離ながら言ってくれたが
さっき知り合ったキルアはそんな事わかるはずもなく
「早く立てよ。手ぇ貸してやるからさ」
と言って私の手を握った
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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね!応援してます! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます!コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます( ̄^ ̄) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Skin | 作成日時:2018年1月14日 16時