翼人の翼に願いを込めて

強そうな人達 ページ25

「分からないことがあったらなんでも聞いてくれ」

「ありがとう」

「俺はトンパってんだ」

「俺はゴン」

さっきからどこか図々しいおじさんの名前はトンパだそうだ

正直あまりよろしくしたくないのだが

ゴンはトンパとすっかり仲良くなっていた

「こっちは、クラピカとレオリオとAだよ」

私が軽く頭を下げるとトンパは私の首元をじっと見たが

ゴンに話しかけられ視線をゴンに移した

「ねえ、トンパさんみたいに何度も試験を受けている人って他にもいるの？」

「まあ、俺ほどのベテランはいないが……まあ、例えばあいつ」

そう言ってトンパが指さしたほうを見ると

がたいがよくて、さっきから中華料理だろうか

ずっと食事をしている人がいた

「255番、レスラートード。パワーは断トツだな、意外と頭もキレる」

強そうではあるが食事マナーが悪いから頭悪いかと思ってた…

「その向こうにいる103番蛇使いバーボン、あいつは非常に執念深いから敵に回すとやっかいだぜ」

執念深いのか……なんか面倒くさい人だな

「それから……191番武術家のボドロ。歳はとっているが、武術は右に出るものなし」

あんなに歳をっとっている人でもハンター試験受ける人もいるのか

「あいつらは、アモリ、イモリ、ウモリの三兄弟。絶妙なコンビプレイで常に高成績を残している」

アモリ……イモリ……ウモリ……

なんだか適当につけたような名前だ

キラキラネームよりも酷い気がする

「そして384番、猟師のゲレタ、吹き矢とこん棒であらゆる生き物をしとめる凄腕だ」

吹き矢かぁ

私はたぶん近距離戦には向いていないから

あんな風に飛び道具の一つや二つ習得しておきたいな

「まぁ、他にもいるが、このあたりが常連だな」

常連ということはやっぱり皆結構何回も落ちてるんだ……

私よりも圧倒的に強そうな人ばっかりで

私がハンター試験に受からないのはもはや決定事項のように思えた

やっぱり来年も受けてみようかな……

でも今回はゴンやクラピカやレオリオみたいな親切な人に会えたからよかったけれど

来年は完全に一人でやらなければならないかと思うと

やっぱり来年も受けようという気にはなれなかった

そもそもハンターなんて私らしくないし

そんなネガティブなことばかり考えていると

「うあああああああああああああああああああああ」

どこからか悲鳴が聞こえた

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