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三話 ページ3

やってしまったー…!!

即興でいい。そう思ってした曲のアレンジ

天才でもないんだからできるわけないのに
バカか私は…

「なぁ、」

落ちた。絶対に落ちた

「おいって!」

自販機の横で座り込んでいると、思い切り肩を揺すられ顔をあげる

「あ、えと…ユンギ…さん」

「そう。さっきのアレンジ、お前が考えたの?」

「…う、です」

「は?」

「即興だったんです!」

「…は?」

[SGサイド]

オーディションに向けてアレンジしたビート
頭の中で練習していると、「お互いがんばろう」と、下手くそな韓国語を話している日本人

思わず笑ってしまった
緊張してるくせに、下手な笑顔を作っていたから

自分の番が終わって、日本人の番が来た

彼女がアレンジしたビートは

俺の心を鷲掴んだ

オーディションが終わり、発表まで待機していると彼女の姿が見当たらない
廊下に出れば、自販機の横で蹲り何かブツブツと呟いていた

「えと…ユンギさん…?」

唇を噛み締めて、涙ぐむその表情に
息を吞んだ


聞けば、あれは即興のアレンジと言った
こいつは、稀に見る天才かもしれない

そう直感した

「今回の合格者は…

13番 ミン・ユンギ
14番 如月レアナ

以上の2名とする」

彼女は口をぽかんと開け、意識はどこかに飛んでいる

「ははッ、お前と俺、

合格だって」

「やっ、た…ユンギさん!やったよ!」

俺の手を取り、ブンブン振り回す

「じゃぁ、次は練習でだね」

「…レアナ、さん」

「ん?」

「서로 열심히 하자」

「!…うん!」


面白くて、美人で

天才

出会った当初はそう思っていたのに

練習生として一緒に過ごしていると…

「アー!オッパ!それ私のアイスー!」

「この振りだと浮いて見えるよなぁ…」

「オッパ〜…お腹空いた〜!ご飯奢って?」

甘えん坊で生意気な練習バカ。

「ユンギオッパーそこ振り間違ってますよ」

YG「ん、あぁ。わりぃ」

「仕方ないから教えてあげます」

YG「ホソガー、振り教えて」

HS「いいですよ」

「ちょ、ナムジュナ〜シカトされた!」

それでも、俺にとって可愛い妹ができた

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作者名:白華 | 作成日時:2020年11月23日 22時

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