２１話目 ページ23
久しぶりに熱を出した。
風邪を引いたのはいつぶりだろうか
あぁ…嫌だな。
こんな日に限って、家には誰もいない。
紘さんはロケで2泊3日の旅
寝れば少しは落ち着くかな
そう思って、重たい瞼を閉じた
『母さん！那月が熱出したっ、どうしよう！』
『ちょっとあなた！落ち着いてよ』
『び、病院か!?薬！』
『那月、ご飯食べれる？』
『父さんが林檎すったぞ！』
『大丈夫だよ。お父さん、ありがとう』
『んもぅ、9歳の娘の方があなたより大人だわ！』
『風邪が治ったら父さんが遊びに連れてってやろうな』
『それなら、来月のお誕生日は旅行にしましょうか』
『那月ごめんな、父さんと母さん大きな手術があって帰るの遅くなりそうなんだ』
『すぐ帰るから！一人でお留守番しててね？』
『大丈夫だよ！待ってるね！』
10歳の誕生日を迎える一週間前
それが両親と話した最後の言葉だった
目が覚めると、涙で枕を濡らしていた
気怠い身体を起こし、リビングへと向かう
その時、携帯のバイブが鳴り響いた
『那月、具合どう？熱下がった？』
「…」
『那月？』
「…紘、さん…あのね…」
彼は仕事で忙しい。それに、ロケとなれば帰ってくることなんて出来ない
我儘なんて、言えるわけない
「熱、下がってきてるよ。ご飯も食べたし、薬も飲んだから」
熱は下がってないし、食欲もなくて薬も飲めていない。
「だから、心配しないで」
『…那月、すぐ帰るから。』
「ッ…うん。早く、帰ってきて」
胸がギュッと苦しくなり、止まっていた涙が溢れそうになった
あんな夢を見たせいだ。雪が降ってるせいだ
風邪なんて引いたせいだ
だから、自分は今こんなに弱くなっている。
次に目が覚めた時は、彼の優しい顔が傍にあった
紘「あ、起きた!?よかったぁ」
「…いつ、帰ってきたの？」
紘「仕事、早く終わらせてきたんだ。
全く、薬飲んでなかったでしょ。バレバレ」
「…ごめんなさい」
紘「はい。お粥作ったから食べて」
ゆっくりと身体を起こし、器を受け取る
少しずつ口に入れると、身体がポカポカと温まってきた
紘「ん。薬置いとくから
あ、それと」
紘さんは腕をのばし、私の頭を撫でるとその手を頬に添えた
紘「寂しいなら、ちゃんと言って。」
この人は、本当に優しい
どこか天然だし、馬鹿だし。カッコつかない時もあれば、子どもっぽい時もある
でも、優しくて…かっこよくて、可愛くて
頼りになる…傍に居るだけで安心できる人
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蜂蜜色(プロフ) - 白華さん» ありがとうございます〜！ (2020年6月26日 18時) (
レス) id: 47360ddac9 (このIDを非表示/違反報告)
白華(プロフ) - 蜂蜜色さん» 私もそまくん好きです!!出番増やしますー!! (2020年6月25日 23時) (レス) id: 3f0452cc14 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 白華さん» 梶さんと壮馬くんと花江さんと下野さんが推しです〜！もう天国、、！ね (2020年6月25日 18時) (レス) id: 47360ddac9 (このIDを非表示/違反報告)
白華(プロフ) - 蜂蜜色さん» 好きな声優さんいましたか!?そう言って頂けてよかったです！(泣 (2020年6月25日 13時) (レス) id: 3f0452cc14 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - おぅふ← めちゃくちゃ尊い、、、！大好きな声優さんと関わってるなんて、、、！ (2020年6月24日 22時) (レス) id: 47360ddac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白華 | 作成日時：2020年1月30日 19時
