愛してるって言って ３３７ ページ4
教室にナイフを取りに行ったのだろう、ナイフを片手に持った渚が来た。
「……お願い、みんな。僕に、殺らせて」
「…誰も文句はねぇ。」
「この教室は渚が首席だ。」
と、業が言う。
渚が、ﾁﾗｯと、私の方を見た。
『大丈夫』
口パクでそう伝えた。
渚は安心したかのように、微笑んだ。
渚が、殺せんせーの上に跨る。
「……先生。」
渚が、ネクタイをめくろうとした。
「ネクタイの上からでも刺せますよ。
…貰ったその日に穴を開けてしまったので、そのままにしときました。これも大事な縁です。」
そう言って、殺せんせーは、私とカエデを見た。
未だに涙は止まらない。
止まってよ。
笑顔で、送りたい。さよならしたい。
お姉ちゃん達には出来なかったことなんだから。
「…さてその前に、先生型に挨拶しておかなくては。
イリーナ先生、参加しなくていいんですか？賞金獲得のチャンスなのに」
「……私はもう、十分貰ったわ。
ガキ共からも、あんたからも。たくさんの絆と…経験を。
この暗殺は、あんたとガキどもの絆だわ。」
殺せんせーが、頷いた。
「そして、烏間先生。
あなたこそが生徒達をこんなに成長させてくれた。これからも、彼らの相談に乗ってあげてください。」
「…あぁ。お前には散々苦労させられたが、この1年は一生忘れることは無い。
さよならだ、殺せんせー」
殺せんせーは、嬉しそうに笑った。
「さて、みなさん。いよいよですね。
一人一人にお別れの言葉を言っていたら、24時間あっても足りません。
長い会話は不要です。その代わり、最後に…出欠をとります。
一人一人先生の目を見て、大きな声で返事をしてください。全員が返事を終えたら、殺してよし。
………ま、まさか早退した人はいませんよね！？このタイミングで返事無かったら、先生○殺しますからね！？！？」
「「「「『…はよ呼べ！！』」」」」
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作者名：ぱるる | 作成日時：2019年1月12日 13時
