霞柱は惚れさせたい弐【時透無一郎】 (ページ37)

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捌拾陸ページ37

『え…お姉ちゃん…だよね…？なんで…』

なんで…？お姉ちゃんは…鬼に…

「ふふっ…やっと会えたわ…あの子に感謝ね。ねぇ、A？私は…あの方によって鬼になったのよ。そして…あなた血が…あなたの全部がほしいの…」

どういうこと…？ほんとにお姉ちゃんなの…？

「ねぇ…A…あなたの全部…私にちょうだい…？」

『お姉ちゃん…意味が分からないよ…』

そもそも…なんで私の血…？

「あなたの血はね…なぜか、稀血より美味しくて…強くなれるの…」

え…？

『意味が分からない…お姉ちゃん…どうしちゃったの？お姉ちゃんらしくないよ…』

「ふふっ、仕方がないじゃない。私は鬼よ？あなたが素直に渡してくれないのなら…仕方がないわね。血鬼術桜の海」

っ…速い…

なんとか避けたが、ギリギリだった

…実の姉の頸を斬るの…本当は嫌だ

「大人しく私に血を捧げなさい。血鬼術霧桜」

『桜の呼吸伍ノ型黒桜桜風』

「っ…桜の呼吸…やっぱ…私たち姉妹ね。お互い桜を使った技だったなんて」

『お姉ちゃん！！もうやめてよ…お姉ちゃんは人を傷つけるようなことはしないはずだよ！』

私が知ってるお姉ちゃんは…誰にでも優しくて、気が利いて…

変な男の子から助けてくれたり…料理もお裁縫も全部お姉ちゃんから教えてもらった

そんな優しいお姉ちゃんがﾞ大好きﾞだった…

っ……大好き…

『そっか…好きって…大好きって気持ち…やっと思い出せた…』

今まで、忘れてた感情が…プツリと切れいた紐が…元に戻った気がした…

「血鬼術桜雲！早く私にちょうだい！」

『…お姉ちゃん』

私が弱くて…なにも出来なくて…ごめんね…

あの時、お姉ちゃんが私なんかを庇ったから、鬼になっちゃったんだよね…

無惨に…何か言われて、鬼になっちゃったんだよね？

ごめんね…

『お姉ちゃん、ごめんね…私がちゃんとしてなくて…』

「っ…！…血鬼術闇桜･波」

型を使う暇がなく、避けたが…

足と腕に怪我をした

『くっ…お姉ちゃん…』

「ふふっ…そうよ…もっと血を流しなさい！」

…覚悟を決めよう

無一郎…ごめんね…

自分の気持ちにやっと気づいてわかった

私、無一郎のこと…好きだって…やっと気づいたよ…

…でも、伝えられないかも

『お姉ちゃん、勝負はこれからだから…』

クー助(っ…Aガ危ナイ！無一郎タチニ知ラセナイト…！！)