ストレス３８ ページ38
硝子「お疲れ」
心操「……なんだよ」
観客席を抜け出して控え室に向かうと心操くんと会った。
彼は少し不貞腐れたような顔をしている。
硝子「労いにきたんだよ」
心操「……慰めなんかいらない。
俺は絶対ヒーロー科に入る。絶対にヒーローになる。
硝子、お前のことも抜かすぞ。浮かれるなよ」
心操くんの目はギラギラしていた。
その目を見て、ああやっぱりヒーローになるなと思う。
硝子「……内緒だよ、心操くん」
心操「は……？ちょ、お前……ッ！！」
運動着の上着を脱いで、そっと心操くんに近づく。
みるみるうちに心操くんの顔が赤く染まるが、
露出された左腕を見ると目を見開いて固まった。
私の左の二の腕には、裂傷の痕がある。
硝子「５歳の時、“個性”が発言して病院に行ったの。
そこで精密検査してね、
数値で栄養足りてないことがバレて、体中のあざも見つかって。
私、片親だから。母親の虐待が疑われたの。
そしたら激怒してさ、私のこと包丁で刺そうとしたんだよ」
心操「！」
硝子「これはその痕。
病院に連れてってもらえなくて治療されなかったから痕が残っちゃったの」
それが、ガラスちゃんが生きることを諦めた最大の原因。
硝子「誰にも言ってないから内緒だよ」
心操「なんで、それ……俺に、言ったんだ」
硝子「君には知っていてほしかったの。
私は、決して恵まれた人間じゃないってことを」
心操「！」
上着を羽織って身支度を整える。
心操「……悪かった。お前を傷つけたいわけじゃなくて」
硝子「わかってるよ。
ただ、勘違いされたままじゃ私が嫌だったの。
だって、私たち友だち……でしょ？」
そう言って心操くんを見上げれば、彼は少しだけ表情を和らげた。
心操「……じゃあ、友だちからアドバイスな」
硝子「なぁに」
心操「お前距離感バグるから気をつけろ」
硝子「えっ」
心操「心臓に悪い」
硝子「……可愛くてごめんね？」
心操「自覚ありかよ」
なんだかおかしくて笑うと、心操くんも少し笑った。
硝子「じゃあ私からも。
なれるよ、ヒーロー。だって心操くんは努力家で優しいから」
はじめてできた友だちは、大事にしたいなと思った。
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肩ｺﾘｺﾘｺﾘｰﾅ(プロフ) - りら。さん» ありがとうございます！私が読みたくて書き始めたんですが、予期せず、たくさんの方に読んでいただけて嬉しいです☺️コメントありがとうございます👏 (2023年1月1日 21時) (
レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
りら。(プロフ) - 過去一っていうのはこれまで自分が見てきた夢小説の中でって意味です💦 (2023年1月1日 21時) (レス) id: 2d683a5810 (このIDを非表示/違反報告)
りら。(プロフ) - 過去一面白いです！更新楽しみにしてます！！ (2023年1月1日 21時) (レス) @page48 id: 2d683a5810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肩ｺﾘｺﾘｺﾘｰﾅ | 作成日時：2022年12月24日 23時
