セコム53 ページ3
ゆらり、と禰豆子様が立ち上がった。
……そして、お召し物には血がついていた。
カタカタと鞘にかけた手が震える。
嗚呼……怒りで今にも斬りかかってしまいそうだ。
胡蝶「伊黒さん、強く抑えすぎです。少し弛めて下さい」
伊黒「動こうとするから抑えているだけだが?」
蟲柱の言葉に蛇柱は悪びれもなくそう答えた。
チラリ、とそちらに視線を向けて後悔した。
殺意が増すばかりだ……嗚呼、抑えなければ。
胡蝶「……竈門君、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」
宇髄「血管が破裂!いいな、響きが派手で!よし行け、破裂しろ!!」
悲鳴嶼「可哀想に……なんと哀れな子供。南無阿弥陀仏……」
抑えろ。
耳を傾けるな。
雑音に心を乱すな。
人の心を持たぬ気狂い共に揺らぐな。
今は耐えろ。
炭治郎様も耐えている、戦っている。
だから、今は耐えなければならない。
胡蝶「竈門君!!」
蟲柱がとうとう声を荒らげた。
炭治郎様が呼吸を使っているからだ。
その時……。
_____カシャンッ……
鞘口をきる音が響く。
義勇様が合図をなさった音だ。
私はそれに耳を澄ませ、一度息を大きく吸い込んだ。
炭治郎「禰豆子!!」
蛇柱は義勇様によって制止させられていた。
そして、それにより開放された炭治郎様が縁側に駆け寄ってそう叫ぶ。
すると、風柱を凝視していた禰豆子様の視線が炭治郎様に移った。
そして……禰豆子様は風柱から顔を背けた。
禰豆子様は耐えたのだ。
血の匂いと本能に抗った。
これで、人を襲わないということを証明できた。
それなら……いいですよね、義勇様?
_____カシャンッ……
もう一度、鞘口をきる音が響く。
……義勇様の『行け』という合図だ。
_____ドンッッッ!!!
その音と共に私は大きく地を蹴った。
_____ガキンッ、ザクッ、
鋼が折れる音と共に血飛沫が舞う。
全員「!?」
その場にいる全員が息を飲んだのがわかった。
だが、どうでもよかった。
A「よくも……禰豆子様を…………」
私の怒りは、とうに限界を越していた。
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なんてこったパンナコッタ(プロフ) - 更新よろしくお願いします!! (6月14日 23時) (レス) id: 505aaafbd1 (このIDを非表示/違反報告)
k - 更新待ってます、、! (2023年5月5日 13時) (レス) @page32 id: 5c864d8d23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - いつも更新待っています(*^^*) (2022年6月24日 19時) (レス) @page32 id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
q - 早く更新してね!いつも待ってるから、、、 (2022年5月21日 16時) (レス) @page32 id: 8db81fc394 (このIDを非表示/違反報告)
新木優子 - 更新まだですか❓ (2022年5月5日 16時) (レス) @page32 id: 8db81fc394 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年11月19日 0時