検索窓
今日:74 hit、昨日:91 hit、合計:549,743 hit

セコム53 ページ3

ゆらり、と禰豆子様が立ち上がった。


……そして、お召し物には血がついていた。




カタカタと鞘にかけた手が震える。

嗚呼……怒りで今にも斬りかかってしまいそうだ。





胡蝶「伊黒さん、強く抑えすぎです。少し弛めて下さい」




伊黒「動こうとするから抑えているだけだが?」





蟲柱の言葉に蛇柱は悪びれもなくそう答えた。



チラリ、とそちらに視線を向けて後悔した。


殺意が増すばかりだ……嗚呼、抑えなければ。





胡蝶「……竈門君、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」




宇髄「血管が破裂!いいな、響きが派手で!よし行け、破裂しろ!!」




悲鳴嶼「可哀想に……なんと哀れな子供。南無阿弥陀仏……」





抑えろ。

耳を傾けるな。

雑音に心を乱すな。



人の心を持たぬ気狂い共に揺らぐな。



今は耐えろ。


炭治郎様も耐えている、戦っている。

だから、今は耐えなければならない。





胡蝶「竈門君!!」





蟲柱がとうとう声を荒らげた。


炭治郎様が呼吸を使っているからだ。




その時……。




_____カシャンッ……




鞘口をきる音が響く。

義勇様が合図をなさった音だ。


私はそれに耳を澄ませ、一度息を大きく吸い込んだ。





炭治郎「禰豆子!!」





蛇柱は義勇様によって制止させられていた。

そして、それにより開放された炭治郎様が縁側に駆け寄ってそう叫ぶ。



すると、風柱を凝視していた禰豆子様の視線が炭治郎様に移った。




そして……禰豆子様は風柱から顔を背けた。




禰豆子様は耐えたのだ。

血の匂いと本能に抗った。


これで、人を襲わないということを証明できた。




それなら……いいですよね、義勇様?




_____カシャンッ……




もう一度、鞘口をきる音が響く。

……義勇様の『行け』という合図だ。




_____ドンッッッ!!!




その音と共に私は大きく地を蹴った。




_____ガキンッ、ザクッ、




鋼が折れる音と共に血飛沫が舞う。





全員「!?」





その場にいる全員が息を飲んだのがわかった。



だが、どうでもよかった。





A「よくも……禰豆子様を…………」





私の怒りは、とうに限界を越していた。

セコム54→←セコム52



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (995 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2694人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なんてこったパンナコッタ(プロフ) - 更新よろしくお願いします!! (6月14日 23時) (レス) id: 505aaafbd1 (このIDを非表示/違反報告)
k - 更新待ってます、、! (2023年5月5日 13時) (レス) @page32 id: 5c864d8d23 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - いつも更新待っています(*^^*) (2022年6月24日 19時) (レス) @page32 id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
q - 早く更新してね!いつも待ってるから、、、 (2022年5月21日 16時) (レス) @page32 id: 8db81fc394 (このIDを非表示/違反報告)
新木優子 - 更新まだですか❓ (2022年5月5日 16時) (レス) @page32 id: 8db81fc394 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年11月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。