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お見合い5 ページ5

鬼殺隊に入隊するため、修行していた頃の話。




私は、雨の呼吸から独自の涙の呼吸を編み出した。


それを使いこなせるようになった頃、

私は他人の心が見えるようになっていた。



見えるといっても、思考が読める訳では無い。


私には、心が二つの色に見える。




それは、『白』と『黒』。



どんな基準でその色が決まるか私にもわからない。


大抵の人は、黒だった。

白なのは、今まであった中ではお館様だ。



柱の九人は、みんな黒だった。


今まで見たことがないほど、ドス黒いものだった。




今までの経験上、

心が黒い人と馬が合わないことはわかっていた。



……案の定、彼らとは馬が合わない。




私は、鬼を『助けたい』。


殺すだけじゃなくて、彼らの傷ついた心を救いたい。



でも、柱の奴らは違う。


鬼を『悪』と決めつけて、殺すことだけを考えている。




私はそこも気に入らなかった。



本当、本当に、馬が合わないのだ。





A「柱……絶対なりたくないな」





半年に一度、嫌でもあの心を見なくてはいけない。


そんなの拷問よりきついわ。




最近では、白い心の人はいないんじゃないかと思ってる。





そして、私が家に帰った頃。



母上が嬉々としてお見合い用の着物を見せてきたので、

「あ……」と私は現実に戻された。




母親「Aはね、絶対これが似合うと思うのよ!


この白藍色と藤鼠色の『ぐらでぇしょん』素敵でしょ?」




A「……ウン、ステキ」





私はぎこちなく母上にそう返した。



因みに、母上は最近知ったばかりの外来語を使うのが好きらしい。


使いこなせているかは知らん。





母上「素敵な人って聞いたわよ」




A「……そう」





私はそう言うと、着物を見つめた。



きっと、お相手は素敵な人だと思う。


年々難しくなる最終選別を見事生き抜いた人だし。




……でも、きっと。



こんな女には、惚れないだろうよ。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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