お見合い21 ページ21
?「鬼は、人間だったんだから。
俺と同じ人間だったんだから……!
足をどけてください。
醜い化け物なんかじゃない。
鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ」
少年は、そう言って凛とした目で冨岡さんを見上げた。
……なんて、真っ直ぐな心。
彼の手で逝けた鬼は、どれほど心が穏やかだっただろうか。
A「!」
刀を鞘に収めようとしたその時、
殺気と風を切る音がして私は刀を構え直した。
_____ガキンッ!
冨岡さんが二人を守るように刀を振るい、鈍い音が響き渡った。
胡蝶「あら?どうして、邪魔するんです冨岡さん」
そこに現れたのは、胡蝶さんだった。
……まずい人に見つかった。
私はサッと身を翻し、冨岡さんの後ろに控える。
胡蝶「Aさん、どうしてそちらに行くんです?」
A「……」
胡蝶さんが愉快そうに笑う。
私は無言で彼女を見つめ、刀を構え直した。
胡蝶「冨岡さんは、鬼とは仲良くできないって言ってたじゃないですか。
それなのに、何なんでしょうか?
そんなんだから、みんなに嫌われるんですよ」
胡蝶さんは「さあ、どいてください」とこちらに刀を向けた。
静かな沈黙が流れる。
冨岡「俺は嫌われてない」
A「私は、どちらも嫌いです」
?「っ」
胡蝶「っ」
胡蝶さんも冨岡さんも嫌いだ。
嫌いだけど、冨岡さんはこの兄妹を庇う。
なら、私は冨岡さん側につくだろう。
チラリ、と女の子を見る。
匂いからして、鬼だろう。
でも、その心は真っ白だった。
本来、私は人の心しか見えない。
それなのに、何故かこの鬼の女の子の心が見える。
何故かは知らない。
だが、この少年が庇う限り、私は斬りはしない。
胡蝶「嗚呼、すみません。
嫌われている自覚が無かったんですね。
余計なことを言ってしまって申し訳ないです。
安心して下さい、Aさんが私をお嫌いなのは知っていましたよ」
A「知っててこの接し方ですか……性格悪いですね」
私がそう言い返すと、
胡蝶さんの額に青筋が浮かんでいた。
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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時