お見合い相手が泣き虫な金髪君だった

お見合い４３ ページ43

『あのお方』……？

それは、誰だ？



下弦の弍を従えていた人物だろう。


つまり、下弦の壱以上の七人になるか……。





A「私を探して何になるんだ？」





私は柱でないし、目をつけられる理由がわからない。





伊勢時「終わったみたいだな」




A「うん、丁度ね。次の任務は、北だよね？」




伊勢時「嗚呼、暫く蝶屋敷には行けねぇかもしれねぇな」





伊勢時の言葉に私の胸はズキリと痛む。




……正直、どんな顔して善逸さんに会えばいいかわからない。



そもそも、私達はお付き合いしている中ではない。


善逸さんが『辞めます』と言えば、

それで私達の関係は全て終わるんだから。





伊勢時「どうかしたのか？」




A「ううん、行こうか」





私はそう言うと、歩き出した。




……その時、私は知らなかった。


自分の身に迫る脅威に。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





？「しくじったか……。

まあ、最初から期待なんぞしてないが。



下弦はもう終わりだ。


上弦のその名に似合う働きをするように」





赤い瞳が楽しそうに弧を描く。



その時、ベベン、と琵琶の音が響いた。





？「……朱目尻…………魔除け、か」




？「魔除けでやってる化粧のせいで、

目印になってるのは可哀想ですねー。



女の子だったら食べたくなっちゃうなー」




？「馬鹿が。食ったら殺されるぞ。

雨のような波紋の羽織……。俺が真っ先に見つける」




？「嗚呼……恐ろしい…………ヒィィッ」




？「朱目尻とは美しい……芸術品のようですなぁ」




？「必ず見つけます……妹と共に」





六体の鬼が怪しく笑う。





？「見つけたら、私の元へ生きたまま寄越せ。


鬼にして、私が一生飼い殺してやろう。

待っていろ……私の可愛い鬼狩りよ」





『慈悲深い鬼狩り』の存在が、

鬼舞辻無惨の耳に入ってしまった……。

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