お見合い相手が泣き虫な金髪君だった

お見合い２５ ページ25

隠３「雨仁様！？」



隠４「ほ、ほほ本当か！？な、何故こんなところに！？」





隠が多くいるということは、

ここで重傷者が続出しているということなのだろう。





A「我妻善逸殿はいらっしゃいますか。

階級は、癸。金髪の少年です」




隠５「き、金髪ですか……？

あ、そそ、それならあちらの方ではないかと」




A「すぐに案内を」




隠５「は、はいっ！！」





私がそう言うと、隠の人が誘導してくれる。



そして、そこにいたのは、

包帯でぐるぐる巻きにされた善逸さんだった。





善逸「Aさん！？ど、どうしてここに？」




A「ぜ、善逸…さん……」





包帯で目元ぐらいしか見えない。



人目見て、重症だってことがわかった。


鬼と戦ったんだから、それもそうか。




良かった、死んでなくて……。





A「生きてて良かった……っ」




善逸「Aさん……」





私は、善逸さんを抱きしめていた。



……本当に、良かった。

生きててくれて。





善逸「不謹慎だけど、怪我して良かったかも……」




A「本当に不謹慎ですね……。

どれほど心配したと思ってるんですか」





善逸さんをじとりとした目で見つめた。



だが、善逸さんは嬉しそうに笑っている。





善逸「心配してくれてありがとう」





善逸さんはそう言って微笑んだ。



その時、胸が温かくなった。


……嗚呼、なんかもうこの気持ちの名前を知っている気がする。





A「次心配させたら、吊るしますね」




善逸「吊る……！？」





私は笑顔で善逸さんにそう言った。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
《その頃の隠たち》





隠３「あ、雨仁様が笑っていらっしゃる！？」




隠４「どど、どういうことだ！？」




隠５「何者なんだ、あの隊士！」




隠６「雨仁様の笑顔、素晴らしい……っ！」




隠７「初めて見た……美しい…………」





隠の人達は、みんな困惑をしていた。

お見合い２６→←お見合い２４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す