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お見合い15 ページ15

善逸さんは、それから色々な話をしてくれた。



任務で起きたことや、

共に行動している二人のことなど。





善逸「Aさんは、どうして鬼殺隊になったの?」




A「私、ですか……」





任務の話の流れだった気がする。


善逸さんは、私にそう尋ねた。





A「……鬼を滅殺するためです」





私は、そう答えた。

そう答えることしかできなかった。




『鬼を救いたいから』なんて言えるわけがない。



私は、このことを誰にも言ったことがない。


表向きな入隊理由は、

『兄が鬼に殺されたから』ということにしてあるし。



そのほうが、変に勘ぐられなくて楽に任務ができる。


鬼殺隊員は、身内の仇をとるとかで入ってる人が多いからね。





善逸「……そっか」




A「っ……」





善逸さんは、そう返事をした。



でも、私は見逃さなかった。


……善逸さんが一瞬、悲しそうな顔をしたことを。




なんで、そういう顔をするの。



ズキリ、と胸が傷んだ気がした。





善逸「そろそろ日が暮れるね。戻ろっか」




A「ええ……」





私達はそう言って、甘味処を出た。



私は、彼の顔が忘れられなかった。


無言で屋敷まで歩く。

何を言っていいかわからなかった。




_____グイッ





A「!」





その時、突然善逸さんに肩を引かれた。


驚いて彼の顔を見る。





善逸「あ、突然ごめんね!人とぶつかりそうだったから!!」




A「す、すみません……」





私がぼうっと歩いてたからだろう。



善逸さんは「下心は無いよ!?無いからね!?」と必死に弁解する。


わかってますよ、大丈夫です。





善逸「あのね、Aさん」




A「はい?」





善逸さんが顔を赤く染めながら、私の名前を呼ぶ。



どうしたのだろう、と思っていると……。





善逸「そ、その手が……」




A「?」





善逸さんが言いづらそうにそう言ったので、

私は自分の手に視線を落とした。



そこには、善逸さんの羽織をぎゅっと握る私の手があった。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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