鬼の成り損ないは『可愛い子』がお好き！

かわいい２９ ページ29

？「ここは日の下だぞ……！

なんで鬼が出てこれるんだ！？」




A「可愛くない子には教えませんー」




？「その顔、腹立つ！」





私は「べろべろばー」と言いながら煽る。



こいつらには絶対何も言わないもんね！

私の秘密は、炭治郎君たちだから言ったんだもーん。





不死川「てめぇぇ……ぶっ殺してやる！！」





男がそう言い、炭治郎君と睨み合う。



だが、その時。

可愛らしい凛とした声が響いた。





？「お館様のお成りです！」




A「声、かわよ……」





大きなおめめにさっぱりとしたおかっぱ。

大きな髪飾りも可愛らしい。


え、しゅきぃ……。





お館様「よく来たね、私の可愛い剣士(こども)たち」





ほう……『可愛い』という言葉を使うか。


可愛い子好きだな、同士よ。





お館様「お早う、皆。

今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな？


顔ぶれが変わらずに半年に一度の

『柱合会議』を迎えられたこと嬉しく思うよ」





おかっぱの少女達に支えられながら、

お館様と呼ばれた男性は穏やかな声音で告げる。




私はそろりと禰豆子ちゃんがいる箱に近づくと、

刀で穴を開けられたところを【月雲】で修正する。



今は日が出ているので、

わずかな隙間でも日の光は痛いはずだ。


仮の修復でしかないけれど、無いよりマシだと思う。





A「禰豆子ちゃん、痛くない？」





私が小さくそう言うと、

かりかり、と箱の中で爪をかく音が聞こえた。


よかった、お気に召したようだ。





不死川「お館様におかれましても、御壮健で何よりです。

益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」




お館様「ありがとう、実弥」





え、あの傷だらけ男そんな丁寧な言葉言えるの！？



びっくりして振り返ると、

みんな頭を垂れて綺麗に横一線に並んでいた。



うひょー、あの『お館様』がやっぱり一番偉いんだ。


可愛い子を二人も侍らせてるんだから、それもそうか。



いや、私は可愛い子を六人も知ってる！

私のほうが勝ってる！





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Aの可愛い子基準


・性格が良い

・滲み出る愛らしさがある

・本能的に『きゃー！なにこの子、超可愛い！』となる




現在のAの可愛い子判定を受けた子達


・京子

・炭治郎

・善逸

・禰豆子

・伊之助

・冨岡

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