【HiGH＆LOW】守って。

37.私が守るんだから ページ38

雅貴「あ、Aちゃーん！！！！」

私がいくと、もう既にバイクを降りている雅貴の姿が。

「あれ、はやいね。まだそんなたってないでしょ？
…まさか、昼間っから女の人探しに…？」

雅貴「なわけないだろー？ははは、冗談上手いなー、はは…」

…こいつはもっとましな拒否の仕方が思いつかないのか？
ってくらい嘘下手だね。目、泳いでるよ。

「…ま、いいけど。じゃあ連れてって！」

雅貴「ほんとごめんね？俺が慰めるべきなのか迷って…」

「んー、それなりに雅貴も考えてたってことじゃん？
あとは私に任せてよ。大口叩けるよーにしてあげるから」

雅貴「ありがとな。いくか！」

「うん！」




雅貴の後ろに跨り、ついたのは結構広い家。

「なんだろう、この溢れる負のオーラ…」

雅貴「な？だから凄いっつったろ？？」

「凄いどころの騒ぎじゃないわ…ここだけ湿地帯になりそう……」

そして、案内されるがままに足を踏み入れた。

雅貴「広斗ー？Aちゃん連れてきたぞー？」

と言っても返事は帰ってこない。
まぁ、そんなもんか。

部屋の前まで移動して、雅貴は空気を読んでリビングへ戻った。

コンコン

「広斗…？入るよ……？」

ちょっと声のトーンを低めにして言った。

ドアをかちゃりと開けて、部屋に入ると、

床に散らばるゴミ、ゴミ、ゴミ。

机にはカップラーメンだったりビールのゴミ。

うわ、予想以上にひどい。

と、ベッドで寝ている広斗。

「おーい、寝てるの？」

頰をペチペチと叩いてみても、目は開かない。

「広斗ってb……あ！？」

腕がのびてきて、ベッドの中へと転がる。

そして、広斗にキャッチされてる。

広斗「…A………」

「うん。私。」

暫しの沈黙。

「…ね、私行きたいところあるんだけど…
連れてってくれない？」

我ながら、ナイスアイデアだと思う。

返事が返ってこないと思い、広斗の手を掴む。

そして、無理矢理ベッドから起こした。

「さー、着替えちゃって！！
さすがに事故られたら困る！w」

広斗「…わかったよ、しゃーねーな」

ちょっと苦しい笑顔だったけど、さっきまで悲しい顔をしていた彼を
少しでも笑わせることができたなら…よかった。

でも、まだ足りない。

あの笑顔、戻るまで。

広斗は私が守るんだから。




さっきより口数が多くなった広斗。

バイクに跨って、私は広斗のお腹に手を回す。

広斗「で？どこ行きたいんだよ」

「海！」

広斗のために。

それは、私のためでもあるんだから。

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