【HiGH＆LOW】守って。

27.優男 ページ28

ちょっとだけ閲覧注意かもです



広斗はそのあと、『待ってろ』とだけ言って電話を切った。

…もう、こんな自分嫌だよ。

人に頼ることしかできない。

自分1人で解決できない。

こんなよわいじぶん、死.んで仕舞えばいい。

…死.ねばいい？

なんで今まで思いつかなかったのだろう。

そうだよ、このままお兄ちゃんが目覚めなかったらどうするの？

私が生きている価値なんてないよね？

…誰にも迷惑なんてかけたくない。

気づけば私は手に

カッターを持っていた。

「…ごめんね、みんな、お兄ちゃん…広斗。
ばいばい、楽しかったよ」

そして、手首に近づけた。

…なんで？

なんでこんなときに手が震えるの？？

やめてよ

楽になりたいんだよ。

…広斗。

広斗の顔が、頭から離れないの。

「………あああああああああああああっ！！！！」

もう、いい。

なにもかも、捨ててやる。

腕を、ひこうとした、そのときだった。

「…やめろっ！！！」

その声が、響いたのは。

腕をガッと掴まれてカッターを投げられ、抱きしめられた。

「…広斗ぉ……」

広斗「なにやってんだよお前は！！！！！
そんなことしてなんになる！？
兄貴のことは！？もうどうだっていいのかよ！！！」

叫ぶようで、泣いているようなその声。

「どうだって言い訳じゃない…！！！！
でも、でも……！！
もう、嫌なんだよ！！！なにもかも！！！！！！
広斗には…愛されない、私の気持ちなんて…
わかんないよ……ッ」

広斗「…誰が、愛されないって？
俺がいるだろ、お前には。」

落ち着いた口調で、私の耳元で言う広斗。

ずるい、ずるいよ……

「…っひっく……ごめんなさっ……」

広斗「謝んな。」

甘えてばっかりだな、私。

「…ありがとう………」

涙でぐしょぐしょになっている顔で
精一杯の笑顔を広斗に見せた。




「…ごめんね、二日酔いで辛いところ。」

広斗「泣いてんのわかって、こねぇやつがいるかばか」

優しく笑う広斗。

「ありがとう。感謝してもしきれないくらいだよ…」

広斗「そう悲しそうな顔すんなって。俺がいるから。」

「…ふふ」

広斗「そーやって笑ってればいーの、Aは。」

「いいこと言うんだからー！
…もうこんな遅くなっちゃったね。ごめん。」

広斗「いーってば。…大丈夫か？帰っても。」

「あ、うん。大丈夫。」

広斗を玄関まで送ってきた。

「あ、大家さんに謝りいかなきゃ。」

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