baseball short story

G#49 八つ当たり ページ16

「寒っ……」

さすがに夜に外に出るのはまだ寒かった
なんで私がこうなったかというと……



最近なにもかも上手くいかなくて
ストレスが溜まりまくってる
なのに慎吾はどんどん活躍していって
こんな自分が嫌になってきた
しかも今日は月イチの女の子の日

だから私のイライラは最高潮

「Aっ♪」

普段なら愛しいはずの彼の声も
今じゃただの雑音にしか聞こえない

「ごめん、静かにしてくんない？」

「なんやねん、お前最近冷たいよな」

慎吾もだんだんイライラしてきてるっぽいけど
こればかりはどうしようもない
私だってこんな態度とりたくないし

これ以上慎吾を傷つけたくないから……
お願いだから話しかけないでっ……

「なぁ、A」

やばい

「ほんっとにうるさい！！
お願いだから静かにしてよ！！！」

言っちゃった……
怖くて慎吾の顔が見れない、絶対怒ってる

「ご、ごめっ……」
「もうええわ」







あ……私、嫌われちゃった？
どうしよ……

「頭冷やしてくるねっ」

そう言って家を飛び出し、公園に来た
そして今に至る
やっちゃったなぁ

追いかけてくれるかもって少し期待したけど
期待しただけ無駄だったな
慎吾の姿すらみえない

「もう、これで終わりなのかなぁ……」

そう呟き私はベンチに腰掛けた

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