【銀魂】片翼の天使【沖田総悟】

良い子の頭は撫でてやれ ページ45

「…いつの間に成長しやがったんだか」

「へ?」


そっぽ向いたままのAを腕ん中に閉じ込めて、片手で頭を撫でてやる。
Aは首傾げながらも、満更でもなさそうな顔してっから暫くそのまま撫で続けた。


「何か最近しょっちゅう撫でられてる気がするんだけど」

「気の所為気の所為」

「いや絶対気の所為じゃないし」

「ま、良いじゃねーかィ。嫌じゃねーんなら」

「…まぁ嫌じゃないけど、子供扱いされてるみたいで何か腹立つ」

「良い子の頭撫でんのは当然だろィ」

「やっぱ子供扱いしてんじゃん」

「なら…大人扱いしてやろーか」


他の奴らは宴会に夢中だし、酔い潰れてる輩が殆どだ。
多少声上げようが酔っ払いの記憶として消え失せる。


おあつらえ向きな布団も敷いてあるし、事を為すには最高の環境だ。
ま、いっつもは場所も状況もお構いなしに盛ってるけど。


「月並みな台詞言ってやろーかィ…今夜は寝かさねーぜ?天使サマ」

「…片翼の天使とかカッコ付かないなぁ。寧ろ堕天使っぽいわ」

「片翼でも何でも構いやしねーよ、俺だけの天使なんだし」

「珍しく歯の浮くようなこと言っちゃってまぁ…明日仕事なんだし、優しくシてよね」

「大丈夫でィ、どーせ明日は全員二日酔いで仕事になんねーから」

「それ大丈夫って言わな…んむッ」


これ以上余計なこと言わせねーように唇でAのそれを塞ぎ、舌を絡め取る。
今日の宴会のメインディッシュは、こいつで決まりだ。


普段と何ら変わらねー筈の交わりも、特別に見えんのは何故なのか。
その答えを知ってんのはきっと…俺らを見下ろす月明かりだけだろう。

片翼の天使→←酔ったフリをするのって案外難しい

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