【銀魂】片翼の天使【沖田総悟】

辛いときゃ周り気にせず大泣きすんのが一番気持ちが楽になる ページ28

「A!!」

「んッ…」


Aが抱いてる感情全ては読みきれねェ。
それでもAが辛ェ思いしてんのだけは痛ェ程伝わってきて、たまらずキスで強引に言葉を閉じ込めさせた。

やめろ、これ以上自分を追い込むようなこと言うんじゃねェ。


「んぅ…ふ、ぁ……んんッ…!」


口ん中で舌を絡めて貪れば、甘ったるい声が漏れ出してきて耳を擽(くすぐ)る。
もし此処が屯所で、こんな状況じゃなかったらすぐに喰ってたとこだろう。

適度なところで口を離して、腰砕けて倒れそうになったAの体をそっと抱きしめた。


「無理してんじゃねーよ…何のために俺が居るんでィ。一人で抱え込もうとすんな。辛ェの我慢すんな。お前の辛さ、俺も半分背負ってやるから…もう独りで泣くんじゃねェ」

「…ぐすッ…ひ、ぐ…ゥ……うぁあああああああ!!」


Aがこんな風に泣くのは、こいつが近藤さんの家族になったあの日以来だ。
けどホントは、ずっとずっと辛かったんだろう。
目の前で両親殺されて、たった独り残されて。


それでもこいつは笑ってた。
どんだけ辛くても、悲しくても。
それを表に出さずずっと耐えてたんだ。


お前のこと護れなかった俺が言えた義理じゃねーけど…せめて俺の前でだけは、苦しまなくて済むように。
声を上げて泣き続けるAが落ち着くまで、俺はずっとその細ェ体を抱きしめてた。

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