検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:36,297 hit

真っ赤に染まった白い羽 ページ24

もし生まれながらにして飛ぶ術を持つ鳥が、何らかの理由で飛べなくなったなら。


その鳥はいったいどう思うんだろう。


その答えは、人間の俺にはわからねェ。


飛べなくなったっていう現実に絶望すんのか、それとも受け入れるのか。




まるで噴水のように傷口から噴き出す血潮。
それは斬り落とされた純白の翼を緋色に染めていた。
絶えず流れ出る赤は床をも濡らし、廃ビルの一室に血臭を撒き散らしてる。


そんな光景を、俺はただ呆然と見ていた。
当然だろ、自分の命よりも大事な女が血濡れになるとこ見て冷静でいられる男が何処に居る。

こんな光景、できることなら一生見たくは無かった。


「こんなモノでそーちゃんの命が買えるなら、好きなだけくれてやる。持って行けよクズ野郎」


Aが左手に持っていた血濡れの翼を放り投げながら淡々と言い放つ。
体の一部斬り落としたってのに、まるで痛みなんざ感じてねーかのように。
顔色一つ変えず、Aは奴らを睨んでた。


「うっわ、マジで斬っちまいましたよあいつ…てかこれ、商品として使い物になるんスかね?あの女の血で真っ赤に汚れちまってますけど」

「別に汚れていようと構わん。羽根さえあればそれで武器ができるのだからな」


Aを物のように扱うこいつらに心底腹が立つ。
無論、Aが羽を斬り落とさざるを得ない状況に追いやっちまった俺自身にも。


「おぉ、これだ…千鶴や飛燕の物と寸分違わぬ手触り。下賤な天人の体の一部でありながらこの美しさよ…」

「て、めェ…!!汚ェ手でAの羽に触んじゃねェ!!」


荻野が落ちた翼から羽根を一枚引き抜き手に取る。
ざけんじゃねェ、(それ)に触れて良いのは俺だけだ!!


「はいはい、ちょっと黙っててくださいよ沖田隊長。そのカッコで凄んだって滑稽なだけッス」

「ぐッ…!!」


左の太腿に桐谷の刀が突き立てられ、痛みに呻きが漏れる。
畜生、なんてザマだ。

一番護りてェ奴のことすら護れずみっともねー姿晒して。
カッコ悪ィにも程がある。

どんな奴も自分が圧倒的優位に立ってる状況だと大抵油断する→←笑顔の意味



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。